研究課題/領域番号 |
20K20696
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 淑徳大学 (2023) 三重大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
神山 英子 淑徳大学, 留学生別科, 講師 (30787495)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 外国人労働者 / 介護 / 異文化コミュニケーション / 日本語コミュニケーション力 / 技能実習生 / 外国人人材 / 介護現場 / 多文化共生 / 言語コミュニケーション・非言語コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
介護現場における外国人人材は,日本語や日本文化を学んでいるものの,実際に勤務すると,言語や非言語などコミュニケーション上のトラブルを経験してしまうことがある。本研究では,①介護現場における日本人職員と外国人職員のコミュニケーション上実際に生じた異文化間トラブルの具体的な事例を集め,その解決策を記した一次的な事例集を作成し,②日本人職員には勤務時に事例集を使用してもらい,外国人職員には事例集を基に作成した会話テキストを使用してもらい,使用の評価などを反映し,事例集及び会話テキストの改善を重ね,最終的には,介護現場での異文化コミュニケーションを円滑に進めるための事例集及び会話テキストを完成させる。
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研究実績の概要 |
本研究は,外国人介護人材が就労する介護施設等をフィールドとし,「日本人職員」と「外国人職員」間及び「介護福祉施設利用者」と「外国人職員」間に生じる可能性が高い「言語及び非言語コミュニケーションにおける異文化間トラブル」を具体的に明らかにし,その事例集を作成し,その解決策も記した事例集の活用によって,介護現場での異文化コミュニケーションを円滑にすることを目的とするものである。 2023年度は,2020年度、2021年度、2022年度に引き続き複数の介護施設において,日本人職員と外国人職員,双方からの異文化コミュニケーションに関するアンケート調査の分析を行い,どのような場面でどのような「言語及び非言語コミュニケーションにおける異文化間トラブル」が生じたか明らかにし,その実際にあったトラブルの事例集を作成した。また,オンラインでのインタビュー実施時には,外国人職員に対して「日本語の習得」について調査し,「歩行介助」,「移乗介助」,「入浴介助」,「清拭」,「食事介助」,「排泄介助(おむつ交換やポータブルトイレ使用等)」,「レクリエーション」,「申し送り」,「雑談」等,場面別に日本語習得が難しい表現についてまとめた。 また、2023年度は研究データから知り得た外国人介護人材が感じる職場でのマイグロアグレッションについて学会発表し、「言語及び非言語コミュニケーションにおける異文化間トラブル」事例集をまとめる知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度に続き,2023年度も複数の介護施設においてアンケートとインタビューを実施することができたが,新型コロナウイルス感染症および季節性インフルエンザ感染の拡大予防の観点から直接施設を訪問をすることは難しかったため,インタビューについては、オンラインで実施した。また,「日本人職員」と「外国人職員」間についてはデータはある程度収集できたが,「介護施設利用者」と「外国人職員」間についてのデータは依然収集できていない。その他に,非言語コミュニケーションの実例を知るために映像録画も試みたが,介護施設に立ち入ることが依然できず実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度までに作成した「言語及び非言語コミュニケーションにおける異文化間トラブル」事例集については,2024年度も引き続き外国人を受け入れた経験のある介護施設で実際に見ていただき,その事例集に関するアンケートやインタビューを踏まえ,完成させ、学会等で発表し,知見を得て,その成果について論文を投稿する。また,前述の事例集を基にした介護現場に勤務する外国人職員のための日本語テキストを実際に介護施設で使用していただき,そのフィードバックを基に完成させる。
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