研究課題/領域番号 |
20K20697
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
天野 恭子 京都大学, 文学研究科, 人文学連携研究者 (80343250)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 古代インド / ヴェーダ / サンスクリット / 文法解析 / TEI / タグ付けプログラム / データベース / マイトラーヤニー・サンヒター / TEIデータ / コーパス / 自動文法解析 / 言語分析 / XMLデータ / SanskritTagger / DCS / サンスクリット語 / ヴェーダ文献 / 文体計量分析 / 文法解析データベース |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、古代インド文献の計量分析を行うためのデータベースの構築を目指す。古代インド語(サンスクリット語)は、単語同士の接触部分が融合や音変化を起こすことから、各単語を正しく切り離し、原形と文法形を解析する作業の自動化が困難である。解析データも少しずつ作成されているが、完全な解析自動化はまだ不可能であり、膨大なサンスクリット文献が手つかずで残されている。そこで、解析プログラムを開発中のチューリヒ大学のHellwig博士と共同でデータベースを作成する。文法解析データを用いた文体分析はサンスクリット文献にはほとんど例がなく、成立過程の不明な古代の文献への応用は今までにない研究進展の可能性を拓く。
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研究成果の概要 |
本研究は、古代インドの祭式文献ヴェーダの計量分析を可能にする、文法解析付きデータ作成を目的とする。デュッセルドルフ大学のO. Hellwigが2009年に発表したサンスクリット語の文法解析プログラムは、自動で文法解析データを作成する可能性を拓いたが、解析結果のチェックと訂正が必須である。そこでHellwigと共同で、web上でinteractiveに作業ができる、自動解析結果のチェック・訂正のためのシステムを構築した。これを用いヴェーダ文献の文法解析付きデータを作成し、Digital Corpus of Sanskritに蓄積している。作成したデータをもとに文献の言語的特徴の分析を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、成立に謎が多い古代インドのヴェーダ文献の言語について、詳しく分析する可能性を拓く、文法解析付きデータベースの作成を目指したものである。コンピュータによる言語の分析は、多くの資料を扱うことができ、細かい言語的特徴を捉えることが可能であることから、ヴェーダ文献の成立とその背景となる社会の解明に繋がると考えられる。本研究は、ヴェーダ文献の文法解析付きデータを正確かつ効率的に行うシステムの構築を行い、いくつかの重要文献のデータ化を達成した。このデータを用い、文献の言語的特徴から文献成立過程を解き明かす分析の試行を行い、今後の研究発展の可能性を示した。
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