研究課題/領域番号 |
20K20700
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田中 真一 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (10331034)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | テキストセッティング / 音韻論 / 音楽学 / インターフェイス / プロソディー / リズム / 声援 / 最適性理論 / 対照言語学 / 韻律単位 / 音声学 / 定型詩 / 口承文化 / 呼びかけ |
研究開始時の研究の概要 |
新旧口承文化を一次データとして、言語学・音楽学・民俗学・国語学などの視点から、言語学的法則性を導くとともに、各分野において新しいを知見を得る。言語分析として、テキストセッティング(決められた枠の中に言葉を入れる操作)と借用語音韻論(外国語を借用する際の音韻変換操作)を軸とする。 口承文化の資料として、掛け声や遊び歌、歌謡等を材料として、材料間および新旧の異同を分析する。また、かくれキリシタン祈祷文「おらしょ」におけるラテン語からの変換操作とストラテジーを解明する。一連の分析に対し、音楽学、民俗学、国語学などからの視点を加え、学問分野間のインターフェイスを目指す。
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研究実績の概要 |
前年度からの課題である、現代口承文化のテキストセッティングと音韻・形態構造との関わりについての調査・分析を継続するとともに、今年度はとくに言語理論からの分析へと発展させた。現代口承文化に関する基礎データとして、諸言語の種々のテキストセッティング現象例の収集および分析を継続的に行った。 日本語のデータとして、手拍子を伴う2拍子声援「XXがんばれ!」のデータ収集・分析を新たに実施し、これまでに分析したセッティング方策との音韻・形態的異同関係を示し考察した。さらに、チャハルモンゴル語(中国内モンゴル)の伝統的歌謡である「ホルボー」の分析を継続し、さらに、同言語の2拍子声援に関する調査分析を開始した。これらのデータをもとに、言語間および言語現象間における、セッティング方策の異同を分析した。 さらに、上記の基礎データに基づく、最適性理論(OT)による分析を推し進め、セッティングに関わる制約とその優先順位に基づく異同関係を整理するとともに、アクセント付与など、他の音韻現象との関わりについても、考察を加えた。 上記の結果について、それぞれ複数の学会・研究会(日本温論学会: 2022年6月, 関西音韻論研究会: Oxford Kobe Japanese Linguistics Symposium 2023)等で発表するとともに、論文執筆(『音韻研究』第26号掲載)という形で成果発表を行った。 また、本科研に関する学術イベント(Kobe-Oxford 言語学コロキウム「日本語研究の最前線3」)を開催し、本課題の研究成果を研究発表という形で行った。 これらの成果を踏まえ、最終年度への準備を継続した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度からの課題である、現代口承文化のテキストセッティングと音韻・形態構造との関わりについて分析を継続・発展させた。コロナのため(当初予定していた)フィールドワーク調査の実施はできなかったものの、書籍や映像、音源等からのデータ収集を通して資料収集は順調に(フィールドワーク調査を補完する形で、かつ継続的に)行うことができた。 現代口承文化のデータとして、前年度からの継続で、種々のテキストセッティング現象の収集及び分析を行った。日本語のデータとして、2拍子声援のデータ収集・調査・分析を継続した。それと並行して、音韻理論(OT: 最適性理論)の枠組みによる声援パターンの分析を開始した。さらに、チャハルモンゴル語(中国内モンゴルの公用語)の伝統的歌謡「ホルボー」の分析を先年度から継続し、言語および言語現象間における、セッティング方策の異同を分析した。 アウトプットの面では、上記の結果について、複数の学会・研究会等の学術イベントでの発表および論文執筆という形で成果発表を行った。関連して、本科研課題による学術イベントを主催した。 上記のように、課題自体は概ね順調に進展しているものの、言語・方言、そして言語現象間の対照、同時に、音韻理論に基づく分析をさらに推進する必要性が新たに生じ、さらに1年間の期間延長することにした。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、研究自体は概ね順調に進展しているものの、コロナ禍をきっかけに、新たな研究課題が生じた。テキストセッティングの言語・言語現象による対照、および理論分析をさらに進める必要性が生じ、さらに1年間の期間延長することにした。とくに、上記データに基づく、最適性理論の枠組みによる分析を遂行し、言語間、現象間の対照を推進する。それと同時に、分析に必要な制約とランキングを整理し、種々の音韻現象との関係について考察する。 それらと並行して、追加調査とデータの整理を行い、一次資料としての体裁を整え何らかの形での公開を目指す。さらに、研究成果の発表を複数の学会・研究会で行う。可能であれば、本課題による研究イベントを開催し、成果を広く発表する。上記を推進しながら、複数の学会誌への研究成果の投稿を進める。 上記の一連の作業を通して、本研究課題の全体のまとめとして今年度を位置付け、研究を大きく推進する予定である。
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