研究課題/領域番号 |
20K20703
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
佐々木 文彦 明海大学, 外国語学部, 教授 (30215727)
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研究分担者 |
遊佐 昇 明海大学, その他, 名誉教授 (40210588)
津留崎 毅 明海大学, その他, 名誉教授 (50217387)
大津 由紀雄 関西大学, 外国語学部, 客員教授 (80100410)
嶋田 珠巳 明海大学, 外国語学部, 教授 (80565383)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 超高齢社会 / 異世代間コミュニケーション / 知的健康寿命 / 語彙 / 語義の変化 / 介護 / 語彙体系モデル / ことば / 異世代共生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は高齢者と他世代の共生を実現させるための語彙体系モデルの構築を目的とする。現在、世代間の意思疎通は困難になっているが、本研究はその解決策を見出そうとするものである。 子どもと触れあうことで高齢者は知的喜びを感じ、子どもたちも知的財産を受け取る。そこには、「知的健康寿命」を保ち、次世代を担う子どもたちへのバトンタッチをめざす、生きがいに満ちた高齢者の姿がある。研究方法としては、高齢者と子どもの会話を観察し、用いられる語彙を分析することによってどのような語彙が意思疎通を妨げており、両者が共生するにはどのような語彙を選択したらよいかを考察し、モデルとなる語彙体系を提案しようとするものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、超高齢社会における「ことば」の問題について、高齢者が若年層、特に子どもたちとコミュニケーションを図る上で障害となる課題を発見し、その課 題を解決することによって高齢者の「知的健康寿命」の維持を図るために何ができるかを探ろうとするものである。そのために本研究では高齢者と子どもの知的 触れ合いの場=現代版桃源郷を構築することによってそれぞれのグループにどのような効果がもたらされるかを検証する。中心的視点はことばであり、研究分担 者それぞれの専門性を十分に活かした桃源郷パラダイムの構築を行う。 2022年度以降、下記のイベントおよび聞き取り調査を実施することが出来た。 1)2022年9月 品川区立大井第一小学校(校長 藤森克彦)コミュニティ・スクールにおいて、小学校6年生の4クラスの児童131名と同窓生のべ24名との交流イベントを実施し、会話場面を録画して分析を進めた。2)2022年9月 秋田県秋田市の介護施設「きらら」において、介護関係者の聞き取り調査を行った。3)2023 年1月および2月 宮城県仙台市の「八木山市民センター」において、シニア大学の運営担当者(センター職員)4名、シニア大学の運営委員(高齢者の学生)10 名に聞き取り調査を行った。4)2023年2月 秋田県大仙市の介護施設「リライエ大曲」において、入居者の聞き取り調査を行った。5)2023年7月28日・8月5日 宮城県仙台市の「八木山市民センター」においてスマホ教室に参加する高齢者をサポートする高校生や大学生とのやり取りを録画し、コミュニケーションの様子を観察した。 上記の調査結果を詳細に分析し、さらに追加の調査を実施すべく、2024年度において成果をまとめる予定である。また、2024年度は、秋田県秋田市の介護施設において、入居者の自分史作成過程における入居者と介護士とのコミュニケーションを観察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間の研究計画の2年目まで新型コロナウイルス感染症の感染状況が収束せず、研究活動の中心である肝心の交流イベントが開催できなかったが、2022年度において、4件のイベント・聞き取り調査を行うことが出来、2023年度においても3件のイベントを実施することが出来た。さらに研究機関を延長して2024年度においては介護施設で録画を行う計画が経っており、2年間の期間延長があったものの、概ね当初の目的達成に向けて研究を推進することが出来ると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度までに7件のイベントを実施し、アンケート結果及び録画データを収集することが出来た。2024年度においては、介護施設において入居者の自分史を制作するにあたって、介護者が入居者に行うインタビューの録画資料を分析することによって異年齢者同士のコミュニケーションギャップの有無を観察する。そして、2022年度以来収集してきたデータを分析し、異年齢者間のコミュニケーションの特質について考察することにする。
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