研究課題/領域番号 |
20K20710
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | ノートルダム清心女子大学 |
研究代表者 |
尾崎 喜光 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (10204190)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 音声変化 / 「言う」の語幹の発音 / 非語頭の「わ」の発音 / 既存資料の活用 / 映像資料 / 録音資料 / 日本語音声 / アーカイブ / 「言う」の発音 / 非語頭のワの発音 |
研究開始時の研究の概要 |
言葉は絶えず変化する。音声も変化するが、現在進行中の日本語音声の変化として本研究が注目するのは次の2つである。 ①連母音イウのユウへの変化 ②語中語尾のワのアへの変化 前者は動詞「言う」の諸活用形における語幹「言」のイからユへの変化である。あるテレビドラマのセリフを分析したところ、ユの発音率は、活用語尾の音が大きな要因となっているらしいことがわかった。 後者については、ある地域情報番組の出演者の発話データを分析したところ、ワの直前の母音がアであるときにワがアになりやすいことがわかった。 こうした試行調査の結果をふまえ、データをより充実させて分析することで、音声変化のありようを高精度で明らかにする。
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研究実績の概要 |
音声は現在も変化しているが、本研究が注目するのは、①連母音[iu]の[ju:]への変化、②非語頭のワの[w]の脱落である。 前者は動詞「言う」の諸活用形における語幹「言」のイからユへの変化である。数年前にテレビドラマのセリフを試行的に聞き取り分析したところ(「言う」を含むデータ総数618件)、ユの発音率は「言い(0.0%) < 言え(4.8%) < 言っ(19.6%)< 言わ(58.8%) < 言う(100.0%)」であり、活用語尾の音が大きな要因となっていることが明らかとなった。 一方後者については、別のテレビ番組内での発話を数年前に分析したところ、「代わり」「回す」のようなワの直前の母音がアであるときにワがアになりやすいことが明らかとなった。 本研究では、こうした試行調査で得られた結果をふまえ、データをより充実させて分析することにより、こうした音声変化のありようを高い精度で明らかにすることを目的とする。そのために次の2つの調査を行う。(1)過去に放送され現在放送ライブラリー(横浜市)に保存・公開されている多様なテレビ番組・ラジオ番組における発話を対象とする調査。(2)国立国語研究所(立川市)が所有する過去に実施された社会言語学的調査の録音資料の調査。 今年度は、放送ライブラリーに27回の調査出張を行い(調査日数は48日間)、テレビドラマを対象に、①②についての発話調査を実施した。また、②については、さらに国立国語研究所に8回の調査出張を行い(調査日数は9日間)、過去に実施された「学校の中の敬語」調査のうち面接調査の録音資料を対象とする発話調査を実施した。 こうした調査より、放送ライブラリーにおいて、①のデータを634件(累計868件)、②のデータを872件(累計1,318件)収集した。また、国立国語研究所においては①のデータを873件(累計1,984件)収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限がなくなり、調査出張が行なえるようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年間延長し、放送ライブラリーおよび国立国語研究所においてデータ収集を継続してデータを追加する。
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