研究課題/領域番号 |
20K20726
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
隈元 崇 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (60285096)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | AIによる地形分類 / 地形変化シミュレータ / AIの地形区分評価関数 / AIによる地形面区分図 / AIのための教師データ生成 / 喜界島の海成段丘面 / 室戸半島の海成段丘面 / シミュレーションの初期地形 / 地形分類 / AIの機械学習 / 地形変化シミュレーション / 機械学習 / 薩摩半島の火砕流堆積域 |
研究開始時の研究の概要 |
地形学の分野の地史を考察しながらの総合評価である地形区分について,近年の高精度DEMの活用のために,分析手法にも新しい技術の導入が必要である.そこで,AIによる機械学習を地形学においても検討する.そのために,本研究では,火砕流堆積面という相対的に単純な初期地形に地形変化プロセスをシミュレーションで作用させ,その地形変化量だけでなくプロセスの履歴も記録する.これにより,標高値だけではなく地史に該当する計算結果の情報も利用できることになり,それらをもとにしたAIによる地形分類を実現する.
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研究成果の概要 |
従来の専門家の経験と判断に基づく地形分類と地形面区分図の作成を,高解像度のデジタル標高モデルとAIの機械学習を用いて実施した.その中で,AIの学習用に大量に必要となる教師データについて計算機を用いた地形変化シミュレーションの計算結果を利用したことが独創的な点となる. シミュレーションの初期地形の課題解決のための鹿児島県・薩摩半島の入戸火砕流分布域での検討,および,鹿児島県・喜界島の海成段丘地形での検討を踏まえた本研究のAIの汎用性の確認のため,高知県室戸半島の地形区分図を作成した結果,海成段丘地形に関して従来の専門家が作成した地形区分と整合的な地形区分図を取得することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年のAI技術の実装環境の普及を受けて,画像などデジタルデータに記録されている形状の判別や分類の自動化の研究の進展は著しいが,地表面形状の分類は,画像から読み取れる形状の相違だけでは成しえない.しかし,人が地形の形成プロセスを単元ごとに教科書や野外実習で学ぶのと同様に,AIが河川の侵食・堆積のプロセス,斜面の従順化や地すべりなどのプロセス,また,海水準変動や地殻変動などの広域変化プロセスと逐次自動で地形分類を更新する履歴情報までを学習できれば,そこで得られるAIの地形分類の評価関数は,従来の専門家判断による地形分類と比較が可能なレベルに高度化できる可能性があると考え,本研究を実施した.
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