研究課題/領域番号 |
20K20728
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
内藤 直樹 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (70467421)
|
研究分担者 |
片岡 樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (10513517)
岩佐 光広 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (20549670)
石川 登 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (50273503)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | ランドスケープ / ゾミア的空間 / 統治 / フェラルなもの / 流通 / 世界農業遺産 / 大地 / 時間 / 意図しないデザイン / 地質 / 手に負えない景観 / 地質人類学 / 景観生態学 / 景観リテラシー / ジオパーク / 人新世 / 山村 / 変動帯 / 地形・地質 / ヴァナキュラーなランドスケープデザイン / 四国山地 / アナーキズム / 市場 / 景観デザイン / 環境史 / 公共空間の生態学 / サプライチェーン / 東アジア / 東南アジア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、地球上のさまざまな地域における領域国家への包摂/排除に関わる動きを、多様な人間と非人間による意図的・非意図的な相互作用よる「世界制作プロジェクト(Tsing 2015=2019)」の一種として捉え、そのダイナミクスを比較考察すること(「ゾミア的空間の地球史」)にむけた視点と方法論を構築することにある。そのためのプレリサーチとして、近現代の東南アジア(タイ・山地、マレーシア・島嶼部)と東アジア(日本・山地)を対象に、人間と非人間による非意図的な相互作用の結果をある種の公共空間(ゾミア的空間)の創発として捉えなおす民族誌/史的な共同調査研究をおこなう。
|
研究成果の概要 |
景観とは、自然あるいは人工的な環境と人間の関係について考える研究において欠かせない対象である。そもそも景観とは、それを創り、棲まう人間と人間以上の存在そして主観と客観との動的な混成物である。 本研究は、①人間・異種生物・物質による活動とその連関の積み重ねが、産業資本主義社会における日本の山村景観を生成してきたことを明らかにするとともに、②その歴史的な動態を理解し、人類学的に介入するための視点と方法論を提示した。そのために過疎化が進行する日本の山村景観の生成に関わる近世以降の多様なアクターに注目しそれらの絡まり合いを異分野の研究者と民族史/誌的に記述する方法論を確立した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年のフェミニスト民族誌、政治生態学および歴史生態学や景観生態学の影響を受けた景観研究の文脈では、国家や資本の論理による他者の管理や操作と、そうした関係性を無化しようとする異種を含めた諸アクターによる活動のせめぎ合いのなかで景観が生成される動態を捉えようとする試みがある。 本研究では、これまでの景観人類学的な議論に、①アクター:これまで顧みられなかったような異種生物や物質を含めた諸アクターによる多様な利益に関わる諸活動や、②タイムスケール:人間と環境の相互作用から、環境の物質的特性が生産される歴史に注目する視点を加え、日本における山村景観の生成の動態を捉えなおす民族史/誌的な記述をおこなった。
|