研究課題/領域番号 |
20K20731
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
鹿嶋 洋 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (50283510)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 移住者 / 創業 / 起業 / 田園回帰 / 地場産業 / 空間的行動 / 学習 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,地方への移住者の増加とともに,田園回帰の議論が注目を集めている。若手移住者による多様な形態の創業が報告されているが,移住者による創業の地域的条件や地域構造との関連など,未だ不明確な点が多く残されている。本研究は,地方の農村地域において,移住者による創業がいかになされるのか,その際にいかに地域内外の諸要素との連関を取り結んでいるかを,創業者の学習過程と空間的行動に着目して解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は,熊本県を対象地域として,移住者による創業の地域的特性を明らかにすることを試みた。 移住者に関する情報を公表資料等によって収集した結果,県内で計146名の移住者を確認し,うち48名が創業者であった。創業者の地域的分布と業種を把握し,複数の仕事を兼務する「複業」も少なくなかった。 移住者が地場産業に従事する状況に関連して,熊本県の天草陶磁器・小代焼産地における担い手の実態把握を進めた。両産地とも,各窯元が独自性を発揮し個性的なものづくりを行っていた。従事者は陶磁器業を,自己実現できる仕事として認識していた。地場産業が移住者の定着にも寄与していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地方農村部では製造業等の雇用が大きく減少しており,人材の地域への定着のためには創業の増加が重要である。2010年代以降の田園回帰の流れの中で,地方農村部への移住者は増加傾向にあり,創業の担い手としても期待されている。本研究では移住創業者の実態の一端を把握することができた。また,地場産業も移住者を地域に定着させることに寄与していることを明らかにした。移住者を「なりわい」の視点から捉えることの重要性が明らかになった。
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