研究課題/領域番号 |
20K20733
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
石村 大輔 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (00736225)
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研究分担者 |
馬場 俊孝 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (90359191)
近貞 直孝 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波火山ネットワークセンター, 主任研究員 (90318197)
山田 圭太郎 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 研究員 (30815494)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 津波堆積物 / 巨礫 / 機械学習 / Structure from Motion / 橋杭岩 / フィリピン / マニラ海溝 / 津波数値計算 |
研究開始時の研究の概要 |
人類の多くは沿岸低地に居住しており,津波リスクにさらされている.中でもフィリピンが面する南シナ海の周辺人口は数億人にのぼり,東南アジアの主要都市が立地している.しかし,南シナ海の津波リスク把握のための基礎的情報が圧倒的に不足しており,実証的なデータ(津波堆積物)に立脚した津波リスク評価は喫緊の課題である.そこで本研究では,南シナ海における津波リスク評価の高度化を目指して,ルソン島の海岸に分布する巨礫を対象にし,1)空撮画像による巨礫の大きさ・分布の把握,2)巨礫を運搬させうる津波の数値計算,を行う.そして,過去に南シナ海を襲った津波の規模と波源の推定を行い,津波リスクを評価する.
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研究実績の概要 |
2023年度は、石垣島の海岸巨礫の機械学習成果の論文化、フィリピンにおける海岸巨礫のマッピングと体積計算、津波の数値計算を行なった。石垣島の成果については、公表に向けて論文執筆を行なったが、再度学習データの確認などに時間がかかったため論文投稿には至らなかった。しかし、論文化の準備は完了し、現在論文執筆を行っている。フィリピンでは、9日間の調査により約3 km x 0.5 kmと約3 km x 0.2 kmの範囲の海岸地形のドローン撮影、GCP(ground control point)作成のための測量調査、海岸巨礫の観察、を行った。ドローン撮影画像を用いて、調査範囲のcm解像度のオルソ画像とDSMを作成し、このオルソ画像を機械学習に、DSMを巨礫の堆積計算に使用した。機械学習の結果,巨礫の位置・輪郭を検出することができた。輪郭から計算された長・中間軸の長さは現地での実測と良い一致を示した一方で、DSMから測定された短軸の長さは現地での計測結果との違いが大きい傾向にあった。また,DSMから計算した体積は三軸から計算した体積と相関を示した。これらのことから機械学習を用いることで直接計測と同程度以上に迅速かつ実態に即した巨礫の計測ができる可能性がある。このフィリピンの予察的な機械学習データを用いて津波数値を実施したところ、既往研究で提案されたマニラ海溝もしくはより陸側の海底活断層のモデルでは、十分に礫を動かすことができなかった。そこで、調査地西側のマニラ海溝沿いの断層モデルを用いて検討したところ、より多くの巨礫を運搬しうることがわかった。本研究で用いた礫の体積の算出法などモデルには改良の余地があるものの、これらの巨礫が津波によりもたらされたと仮定した場合にはより大きな地震による津波が発生していた可能性が示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
石垣島白保の機械学習によるマッピングはほぼ完了している。この研究により、ドローン撮影、オルソ画像・DSM作成、機械学習、巨礫の体積計算、までのプロセスを確立することができた。現在、成果公表のための論文執筆中である。 フィリピンのドローン撮影画像を用いた機械学習については、学習データの作成と更新に時間が多くかかったが、機械学習は概ね完了した。前述の白保での作業をフィリピンのデータに適用することで、巨礫のマッピングと位置・体積計算を行った。さらに津波数値計算を様々な波源について実施した。そして、巨礫の位置と体積の情報を組み合わせ、どのような津波であれば巨礫が移動するのかを検証した。 コロナ禍のため、予定していたフィリピンへの渡航が2年遅れた。そのため現在の進捗状況は「遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
石垣島白保の研究成果を論文として投稿する。それと並行して、フィリピンのデータ(巨礫の位置と体積)を用いて、津波数値計算による波高・流速データを組み合わせて、海岸巨礫が動きうるか否かを検証する。この論文公表準備を行っていく予定である。
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