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EU域外国境管理と移民保護の思想と実践―欧州委員会、Frontex、受入施設

研究課題

研究課題/領域番号 20K20735
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
研究機関明治大学

研究代表者

荒又 美陽  明治大学, 文学部, 専任教授 (60409810)

研究分担者 内藤 正典  同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (10155640)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード移民 / ヨーロッパ / トルコ / フランス / EU / 非正規移民 / 難民 / 非正規 / 日本 / 人権 / マイノリティ / イスラーム / 移動民 / 欧州委員会 / Frontex / 受入施設 / frontex
研究開始時の研究の概要

近年のヨーロッパでは、移民とも難民ともつかない人々の処遇が政治的な課題になっている。その状態は国際情勢や国内法だけでなく、EUの制度がもたらしたものでもある。EUが最初の到着地での難民申請を義務付けたことにより、移動する人々はより生きやすい手がかりのある地までたどり着けず、法的に曖昧な立場を余儀なくされているからである。彼らへの対応方法が定まっていないことは、人権侵害の起きやすさにもつながっている。本研究は、EUの境界管理の専門機関Frontexと、各国の利害を越えたEUとしての判断をする欧州委員会が現場に与える影響を明らかにすることで、ヨーロッパの移民研究に新たな視角を得る。

研究成果の概要

研究代表者の荒又は、日本の移民研究の現状とヨーロッパにおける移民受け入れの現状を分析し、今後の研究では1)「人道的」支援の限界から目を背けないこと、2)移民の自主的なキャンプをコモン化の議論に接続すること、3)情動による地理的想像力のあり方に注視する必要があることを指摘した。研究分担者の内藤は、ヨーロッパの移民受け入れの調整弁ともなっているトルコの現代政治を研究することによって、EUの政治状況の限界を多様なレベルから分析した。COVID19による渡航制限で現地調査に困難があった間には、日本の移民受け入れの実態の研究も行い、地理学的な研究者のネットワークづくりにも成功した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

日本の移民研究に関しては、時代的・視角的偏りが日本における外国人への制度的な差別につながっている可能性を指摘し、アカデミアがより長いスパンで、より広い視野をもって情報を提供すべきであることを指摘した。具体的には、ヨーロッパの移民を考える際に、排他的な主張ばかりに着目するのではなく、常に人権を重視する理念が提示されていることを注視すべきといえる。またトルコの政治情勢の分析により、欧米の報道に頼ることが他の社会の政治状況の理解を歪曲化する可能性についても指摘し、COVID19やウクライナ戦争によって制限の大きくなった現地調査がむしろ現在、重要を増していることも具体的な事例やデータとともに指摘した。

報告書

(5件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (25件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (8件) (うちオープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 図書 (13件)

  • [雑誌論文] 非正規移民の人権保護をめぐる地理学的研究を考える―日本における研究とヨーロッパの現状の整理から2024

    • 著者名/発表者名
      荒又美陽
    • 雑誌名

      駿台史学

      巻: 181 ページ: 49-74

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 日本における北海道の空間的位置づけ2023

    • 著者名/発表者名
      オギュスタン・ベルク、荒又美陽 訳
    • 雑誌名

      空間・社会・地理思想

      巻: 26 ページ: 27-44

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] From Global Resource Management to Advanced Liberal Arts2023

    • 著者名/発表者名
      Masanori Naito
    • 雑誌名

      Global Resource Management

      巻: 9 ページ: 6-14

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] セクシュアルマイノリティの受入をめぐる日本の二重規範2022

    • 著者名/発表者名
      須崎成二
    • 雑誌名

      駿台史学

      巻: 176 ページ: 55-74

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 植民地化と社会変動2022

    • 著者名/発表者名
      オギュスタン・ベルク、荒又美陽 訳
    • 雑誌名

      空間・社会・地理思想

      巻: 25 ページ: 173-196

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] いかなる嫌がらせを受けても2022

    • 著者名/発表者名
      ジル・バレンタイン、須崎成二 訳
    • 雑誌名

      空間・社会・地理思想

      巻: 25 ページ: 85-104

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] トルコ情勢の変遷と展望2021

    • 著者名/発表者名
      内藤正典
    • 雑誌名

      中東研究

      巻: 542 ページ: 66-73

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] アフガンと向き合う 人権・自由、欧米と違う土台2021

    • 著者名/発表者名
      内藤正典
    • 雑誌名

      朝日新聞

      巻: ― ページ: 13-13

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 大統領選挙後のトルコ~内政と外交2023

    • 著者名/発表者名
      内藤正典
    • 学会等名
      公益社団法人日本記者クラブ
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] トルコ大統選挙後の内政と外交2023

    • 著者名/発表者名
      内藤正典
    • 学会等名
      JETROイスタンブール事務所,イスタンブール日本人会,トルコ日本人商工会連絡協議会(JBGT),日本・トルコ協会共催
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 大統領選後のトルコの内政や外交(対米欧・NATO、対露中、対中東)について2023

    • 著者名/発表者名
      内藤正典
    • 学会等名
      国際経済研究所
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] トルコ建国100年の自画像2023

    • 著者名/発表者名
      内藤正典
    • 学会等名
      公益社団法人日本記者クラブ
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [図書] トルコ 建国一〇〇年の自画像2023

    • 著者名/発表者名
      内藤正典
    • 総ページ数
      286
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784004319863
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 地理学事典2023

    • 著者名/発表者名
      公益社団法人日本地理学会
    • 総ページ数
      842
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621307939
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] アフガニスタンの教訓 挑戦される国際秩序2022

    • 著者名/発表者名
      内藤 正典、山本 忠通
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      集英社
    • ISBN
      9784087212242
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] トルコから世界を見る2022

    • 著者名/発表者名
      内藤 正典
    • 総ページ数
      128
    • 出版者
      筑摩書房
    • ISBN
      9784480251398
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 教えて!タリバンのこと2022

    • 著者名/発表者名
      内藤正典
    • 総ページ数
      184
    • 出版者
      ミシマ社
    • ISBN
      9784909394644
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] なぜ、イスラームと衝突し続けるのか2021

    • 著者名/発表者名
      内藤 正典
    • 総ページ数
      244
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750352985
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] パンデミック時代における良心2021

    • 著者名/発表者名
      同志社大学良心学研究センター、内藤正典ほか
    • 出版者
      同志社大学良心学研究センター
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 惑星都市理論2021

    • 著者名/発表者名
      平田 周、仙波 希望 荒又 美陽ほか
    • 総ページ数
      456
    • 出版者
      以文社
    • ISBN
      9784753103614
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] パンデミック時代における良心2021

    • 著者名/発表者名
      内藤正典
    • 出版者
      同志社大学良心学研究センター編
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 女性の世界地図2020

    • 著者名/発表者名
      ジョニー・シーガー、中澤 高志、大城 直樹、荒又 美陽、中川 秀一、三浦 尚子
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750350844
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] イスラームからヨーロッパをみる2020

    • 著者名/発表者名
      内藤 正典
    • 総ページ数
      282
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      4004318394
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] プロパガンダ戦争 分断される世界とメディア2020

    • 著者名/発表者名
      内藤 正典
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      集英社
    • ISBN
      9784087211375
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 文明の交差点の地政学――トルコ革新外交のグランドプラン2020

    • 著者名/発表者名
      アフメト・ダウトオウル (著), 内藤正典解説 (その他), 中田考監訳 (翻訳)
    • 総ページ数
      512
    • 出版者
      書肆深水
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-08-03   更新日: 2025-01-30  

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