研究課題/領域番号 |
20K20739
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 四国大学短期大学部 |
研究代表者 |
林 夏木 四国大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (20794481)
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研究分担者 |
輪島 裕介 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50609500)
細谷 洋子 東洋大学, 健康スポーツ科学部健康スポーツ科学科, 准教授 (60389856)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 舞踊記譜法 / リズム舞踊譜 / 舞踊民族誌 / サンバヂホーダ / サンバ / ブラジル / アフロブラジル舞踊 / アフリカン・ダイアスポラ・ダンス |
研究開始時の研究の概要 |
舞踊の記録保存を目的とした従来の舞踊記譜法は、身体の動きを3次元的に捉え、それを独自の難解な記号などで表す方式が用いられてきた。本研究は、音楽(リズム)との関係性から舞踊を理解し、舞踊の実践および指導にも有効な「リズム舞踊譜」の開発を目的としている。2008年にユネスコ無形文化遺産に登録されたブラジルの民俗文化「サンバヂホーダ」の音楽と舞踊の関係性を可視化し、かつてない実践的舞踊譜の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、舞踊民族誌を方法論としてサンバを政治的・社会的・霊的側面から調査した研究書Samba:Resistance in Motion (Browning 1995)の内容を分析・考察した論文が掲載された。この論文は、サンバをより多角的な観点から理解し、舞踊譜に記譜すべき項目を検討する上で有益な内容であった。 また、アフロブラジル舞踊を中心にアフリカン・ディアスポラダンス全般の研究を進めるための研究会Dance Afro Research Center of Japan(DARCJ)を発足し、東京2回、京都1回、計3回の勉強会を開催した。また7月にはDARCJ主催で、ブラジル出身の指導者によるサンバ・ヂ・ホーダのダンス講座をオンライン開催した。これらの開催の意義としては、多くの一般市民に本研究について周知されたこと、サンバに関する情報交換につながったこと、またサンバ・ヂ・ホーダの踊り方に関する知見を深められたことなどがあげられる。 さらに、8月末から9月上旬および2月末から3月中旬には現地ブラジルにて、アフロブラジル舞踊、サンバ・ヂ・ホーダおよびサンバの撮影と研究者・実践者への聞き取り調査を行なった。バイーア州での聞き取り調査(2-3月)では、サンバ・ヂ・ホーダを含むアフロブラジル舞踊の歴史、社会的意義、これまでの抵抗運動の成果などに関する知見を深めることとなり、舞踊を記述することの社会的政治的意義が明確となった。また、撮影の協力は、これまでの研究期間で関係を構築したヘコンカヴォ地域の主要なサンバ・ヂ・ホーダ保存会Casa do Sambaのメンバーを中心に、歌い手1名、ダンサー4名、演奏者6名、計11名の参加によって実施され、リズムおよびステップをデジタル映像に収めた。これによって、現地のデータを元に分析、検討されたリズム舞踊譜が次年度には考案される方向となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サンバの舞踊民族誌研究に関する論文の掲載、アフロブラジル舞踊を中心としたアフリカン・ディアスポラダンス研究会の発足および勉強会やダンス講座の開催、さらにリオデジャネイロ州リオデジャネイロ市マンゲイラでの調査(8-9月)およびバイーア州へコンカヴォ地域での調査(2-3月)の実施によって、舞踊譜の考案に向け十分な情報収集が行えた。
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今後の研究の推進方策 |
フィールドワークのデータ分析を元に舞踊譜のデザイン案を作成し、これまでの調査に関わった研究者・実践者・研究共同者と共に検討した上で、舞踊譜を考案する。さらにこれまでの研究成果をまとめ、2024年度中に研究会開催、口頭発表、論文発表を行う予定である。
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