研究課題/領域番号 |
20K20746
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分5:法学およびその関連分野
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研究機関 | 中央大学 (2022-2023) 中京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
松本 裕子 (小坂田裕子) 中央大学, 法務研究科, 教授 (90550731)
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研究分担者 |
深山 直子 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (90588451)
山崎 幸治 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 教授 (10451395)
岡田 真弓 北海道大学, 観光学高等研究センター, 准教授 (80635003)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 先住民族との協働 / 博物館の脱植民地化 / マオリ / 国立アイヌ民族博物館 / アイヌ / 先住民族 / 博物館 / テ・パパ・トンガレワ / ウポポイ / 先住民族の権利に関する国連宣言 / 先住民族博物館 |
研究開始時の研究の概要 |
先住民族は、博物館との関係で、第1に、博物館が貯蔵している文化遺産の返還の問題、第2に、博物館における先住民族の展示やあり方がその意思を適切に反映するものとなっているか、という問題を抱える。本研究プロジェクトでは、前者について、博物館の貯蔵品(遺骨を含む)の返還とその後の管理がどのようにおこなわれ、そこにいかなる課題が存在するのかを検討する。後者については、①国公立博物館の設立及び展示における先住民族の参加の確保がどのようにおこなわれているのか、②展示への先住民族の参加の結果、どのような展示がおこなわれているのか、特に国との歴史解釈の相違の問題はどうなっているのか、を検討する。
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研究実績の概要 |
2023年5月13日に北海道大学にてハイフレックスで研究会を開催し、ニュージーランドでの調査計画を各自報告した。 2023年8月1日から10日にかけて、研究代表者(小坂田)、研究分担者(深山・山崎)、研究協力者(中村)がニュージーランドでのフィールドワークを実施した。なお岡田(研究協力者)は、一部のインタビューにオンラインで参加した。 具体的には、ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ(以下、テ・パパ)にて、展示調査に加えて、国際および国内における遺骨及びコレクションの返還プロジェクトの担当者、スタッフを対象としたマオリ語の教師、アジア・コレクションの担当者、マオリのキュレーター、テ・パパのマオリのトップ(カイハウツ)にインタビューを行った。またスタッフを対象としたマオリ語のレッスンに参加し、テ・パパが所有するアイヌ・コレクション実見も行った。 その他、ポリルアのパタカ・アート+ミュージアムを訪問し、地元のイウィ(マオリの部族)に焦点をあて、2014年6月から2017年3月にかけてテ・パパで公開された展示の再現を調査した。さらにオークランド戦争記念博物館でもマオリ展示を中心に調査を行った。 2023年12月17日にはオンラインで研究会を開催し、ゲスト報告(村田麻里子氏「ミュージアムにおける先住民族の表象と参加:いかにして対話は可能か」)の後、ニュージーランド調査の成果発表の方法なども協議した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本科研プロジェクトでは、ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワの調査を予定していたが、コロナ禍でニュージーランドに入国できず、2023年8月にようやく調査が実現した。ニュージーランドでのフィールドワークは充実したものであり、現在は、そこで得た情報を各自が整理、分析を行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の秋に、ニュージーランドでのフィールドワークで得た知見を一般にも開かれたオンライン・シンポジウムという形で社会還元する予定である。そのために2024年4月には研究会を開催し、各自がどのような内容の成果報告をするか発表し、シンポジウムの実施方法など詳細について打ち合わせを行う。またシンポジウムで発表した議事録などについては、冊子の形にして公表することも検討している。
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