研究課題/領域番号 |
20K20754
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
青島 矢一 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (70282928)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | CVC / ベンチャー投資 / スタートアップス / イノベーション / CVC投資 / R&D投資 / 余剰資源 / 業績水準 / 既存大企業 |
研究開始時の研究の概要 |
既存大手企業に蓄積された豊富な財務的・人的・技術的資源を、広く外部の革新活動に結合することが、日本でイノベーションを創出するために重要となっている。そこで本研究は、日本の上場企業によるベンチャー投資の実態を把握し、ベンチャー投資の動機と成果を定量的かつ定性的に解明することを目的としている。特に、ベンチャー投資に積極的となる企業の属性や大手企業によるベンチャー投資を成功に導く要因やメカニズムを解明することを通じて、既存企業に蓄積された資源が広く社会で活用され、イノベーションを生み、新産業をつくりあげるメカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の事業会社によるベンチャー投資の実態を把握し、その動機と成果を定量的かつ定性的に解明することである。まず,金融セクターを除く事業会社によるベンチャー投資(CVC投資:コーポレート・ベンチャー・キャピタル投資)の実態を、INITIALのデータベースから把握し、財務データと紐付けることによって、事業会社によるベンチャー投資(投資額、投資件数、CVC子会社を介した投資額、CVC子会社を介した投資件数)に影響を与える要因を分析した。その結果、余剰資源の増大、売上成長率の鈍化、同一産業内でのベンチャー投資が、ベンチャー投資を促進していることを明らかにした。一方、前年度の営業利益率はベンチャー投資に負の影響を与えており、好業績がリスク投資を抑制する傾向がみられた。
続いて,事業会社のベンチャー投資(CVC投資)の担当者に対するインタビュー調査からは、CVC投資の組織形態(BS投資、ファンド組成、子会社によるBS投資、子会社によるファンド組成、外部のVCとの二人組合など)、意思決定の組織とプロセス(投資委員会のメンバーシップなど)、CVC活動の目的(戦略リターンと財務リターンのバランス)、自社人材の育成方針に沿って、様々な方法があることが明らかになった。これらの要因のどのような組みあわせが成果につながるのかについては、さらなる分析を必要としている。
また、インタビュー調査と並行して、日本企業によるCVC投資の実態を定量的に理解するために、質問票調査を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
財務データを利用した,ベンチャー投資の動機・影響要因の分析は完了した.ベンチャー投資と成果との関係については,財務データや特許データでは十分な分析ができないと判断して,外部企業と共同研究の形で質問票調査を行うことにした,この質問票調査は,外部企業との契約の締結が遅れたため,当初の計画より浸食が遅れたが,既に回収を完了して,分析に入った.定性分析(事例分析)については,概ね計画通りに進んでいるが,想定よりも多くの企業(30社以上)に対する調査を行うことにしたため,現在でも継続中である.
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今後の研究の推進方策 |
追加した質問票調査は配布・回収を終了し,今後分析を行っていく.事例分析に関しては,これまで行ったインタビューの結果を一旦は整理し,概念フレームワークを構築するとともに,並行して追加的なインタビューを進めていく.最終的には30社ほどのインタビューをもとにして分析を進める予定である.
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