研究課題/領域番号 |
20K20756
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田村 彌 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (60711950)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 実験設計 / インセンティブ / 無作為化 / 実証実験 / 行動バイアス / 費用便益分析 / 実験 / 設計問題 / 最適化 / 期待効用理論 / エビデンスに基づく政策立案 / 戦略 |
研究開始時の研究の概要 |
プログラム評価においてランダム化比較試験 (RCT) は理想的な方法であると考えられているが、予算や倫理上の理由から適切なランダム化の実行が難しい場合が少なくない。 そこで本研究はランダム化を用いた実験的手法が利用できない状況を想定し、プログラムの試験的な実施・評価・規模拡大プロセスを新たなデザイン問題として定式化・分析することを目的とする。制度設計理論を応用したデータの収集プロセスのモデル構築・分析を通じ、エビデンスに基づく政策立案の基礎づけに貢献することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、無作為化の実施可能性に制約がある状況における実証実験デザインについて理論的な分析を行った。特に、単純な群間比較がセレクションバイアスの影響を受けやすい場合に焦点を当て、理論モデルの解析とシミュレーションを行った。モデルの仮定が満たされいる場合、二段階の実証実験を用いて規模を拡大した場合の処置効果が推定できることを示し、費用便益分析を行った。結果の頑健性についてパラメータの分布と実験参加者の行動バイアスそれぞれの観点から検証し、理論的分析を現実に応用する際の問題を整理した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エビデンスに基づく意思決定は現代の政策形成や経営においてますます重要となっている。しかし、質の高いエビデンスを得るための重要な手段である無作為化は、技術的な制約や倫理的な理由から必ずしも利用できるわけではない。この課題に対して、本研究では無作為化が難しい状況でもデータを有効に活用するための理論を提供している。同時に、本研究は小規模または中規模の実証実験から大規模な展開時の政策効果を推定するときに生じる規模効果の問題に対処するための新たな手法を提案している。本研究は特に予算や人員が限られている小規模な組織や公平性を問われる公的組織のデータ活用に貢献する可能性がある。
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