研究課題/領域番号 |
20K20765
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
田中 健太 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30633474)
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研究分担者 |
萩原 悟一 九州産業大学, 人間科学部, 准教授 (30734149)
小谷 浩示 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (80422583)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ラボラトリー実験 / 脳波 / ナッジ / 行動経済学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脳波計(NIRS)を用いたラボラトリー実験によって、ナッジ的施策におけるモラルコストとモラル効用を識別し、ナッジ的施策の政策的評価を厳密に行うことを目的とする。NIRSを用いたラボラトリー実験によって、人々がナッジ的施策を受けた場合の感情を科学的に識別し、ナッジ的施策の個人に与える心理的効果を考慮したうえで、施策の費用対効果を明らかにする。また最終的にNIRSでの分析のみならず、fMRIに基づく同様の状況を仮定した実験を行うことで、NIRSによる分析の頑健性を確認する。
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研究成果の概要 |
本研究では、人々の心理的作用を利用したナッジ的施策が、人々の心理的影響を与える程度を、NIRSを用いたラボラトリー実験によって明らかにし、人々がナッジ的施策から受けた感情の動態を考慮したうえで、ナッジ的施策のより適切な費用対効果を明らかにすることを目的とした研究に取り組んだ。グループ間競争の状況に焦点を当てた実験を通じて、脳波の変動から、グループ間競争が人々の心理的に作用し、結果として、グループ間競争の帰結が、その後のグループ間の協調問題に影響を与える結果が示された。本研究の成果として、脳波計を実験経済分野に応用するモデルケースとして、挑戦的な新たな研究手法の可能性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの国内外の既存研究において、すでにナッジ的施策が人々の心理的なコストや便益に影響を与えている可能性は示されているものの、そのコストや便益について科学的にその程度を直接的に捉える試みは確立されていない。本研究では、脳波計を実験経済分野に応用するモデルケースとして、今後のナッジ的施策の真の費用対効果を明らかにするための方法論の可能性を示すことができたと考えられる。また本研究の成果が、今後の現実のナッジ的施策をいかに改良すべきか、政策的示唆が多く含まれる結果を含有していると考える。
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