研究課題/領域番号 |
20K20775
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
相馬 直子 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (70452050)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 子育て支援 / 少子化対策 / ひろば事業 / 子育て支援労働 / 社会福祉事業 |
研究開始時の研究の概要 |
地域の子育て支援事業をめぐる労働の社会経済的実態を把握するための量的・質的な方法論の開発のため、全国の地域子育て支援団体の協力を得ながら、統計的な指標、質的な評価基準の確立を目指す。賃金という貨幣的な評価にとどまらず、地域ネットワークや互酬性という社会関係資本の形成、地域を支える人材育成という点に着眼し、まずは子育て支援が、どのような価値/社会関係資本/資源を生みだしているのか、有償/無償の枠をこえた洗い出しをする。これらの測定は、利用者である親、子ども、子育て支援者、地域社会団体、地域社会そのものの多元的な視点が必要となり、量的・質的方法論の視点としても、多元的な評価方法の確立が求められる。
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研究実績の概要 |
本研究は子育て支援というワークを「子育て支援労働」と概念定義し、地域で親支援・子ども支援にたずさわる子育て支援者の労働をめぐる社会経済的実態を把握するための、量的・質的把握の方法論を開発することを目的とするものである。2020年度の新コロナウィルス感染拡大に伴う影響とともに、2021年度夏に、これまで延期されていたサバティカルの実現可能性が急きょ高まり、トロント大学グローバル社会政策研究センターの客員教授として、本研究をカナダ(トロント)で進行することになった。引き続きオンラインでのヒアリングを実施しつつ、指標作成や試験版をもとにした支援現場での調査を実施することが出来なかっ た。その点で研究計画が予定通りに進んだとは言い難いものの、地域で親支援・子ども支援にたずさわる子育て支援者の労働をめぐる社会経済的実態を把握するための量的・質的把握の課題整理と、コロナ禍における地域子育て支援労働に関する英語論文の発表を行った。また、本研究の地域子育て支援労働とは、当事者目線、地域目線で、ニーズをとどけ、制度に柔軟性を持たせる役割があり、ジョアン・トロントの指摘する「ケアに満ちた民主主義」(Caring Democracy)につながるものであり、量的・質的把握の方法論開発も、「ケアに満ちた民主主義」という理論的背景をもとに作成する必要がある。この着想から、Caring Democracy (Joan Tronto)の翻訳書の第一稿を完成させた(監訳者に提出)。これは、地域で親支援・子ども支援にたずさわる子育て支援者の労働をめぐる社会経済的実態を把握するための、量的・質的把握の方法論構築のための理論的基盤となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大に伴う影響と、コロナウィルス感染拡大により延期されていたサバティカルにより、関東圏の支援現場での調査を実施することが出来なかったものの、地域で親支援・子ども支援にたずさわる子育て支援者の労働をめぐる社会経済的実態を把握するにあたって、量的・質的把握の方法論構築のための理論的基盤を検討した。子育て支援や子育ての社会化をめぐる研究を整理し、当事者目線、地域目線で、ニーズをとどけ、制度に柔軟性を持たせるという地域子育て支援労働の役割を指標に具現化し、「ケアに満ちた民主主義」(Caring Democracy)を測定するための理論的整合性の検討を行ったことは今後に資すると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は当初、現地調査を軸に研究を計画した。しかし新コロナウィルス感染症とサバティカルの関係上、現地調査からオンラインを中心とした調査に修正し、研究を推進することを計画する。
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