研究課題/領域番号 |
20K20777
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
樋口 直人 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00314831)
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研究分担者 |
稲葉 奈々子 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (40302335)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 移民 / ペルー人 / 非正規移民 / デカセギ / 外国人労働者 / 社会移動 / 日系人 / 在日外国人 / 歴史 |
研究開始時の研究の概要 |
研究者とデカセギ当事者が共同してデカセギの歴史を研究し、その成果を世に問うこと が研究目的となる。デカセギに関する研究は、90-00年代に多く出されたが、停滞傾向にある。日本居住歴の方が長い者が増加し、自らの歴史を描きたいという希望も出つつある。第二世代への交代が進む時期でもあり、日本人研究者、移民第一・第二世代が共同で調査やワークショップを行い、成果を日西バイリンガルで出版する。
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研究成果の概要 |
本研究の最大の成果は、全体のまとめにあたる書籍の刊行である。日本語とスペイン語で同内容をバイリンガル書籍としてまとめるため、翻訳と編集作業に時間がかかった。代表者、分担者、協力者の全員が執筆し、『ペルーから日本へのデカセギ30年史 Peruanos en Japon, pasado y presente』を2024年2月に刊行した。その内容は、ペルーからのデカセギの最初の拠点となった栃木県真岡市からみたデカセギの変遷、ペルー人の事件史、労働市場の変遷、アソシエーションの変遷、カトリック(とりわけ「奇跡の主」行事)の変遷、在留資格がないペルー人、あるデカセギ者の経験という7章からなる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、ペルー人のデカセギに関する総合的な考察と分析を行ったことにある。ブラジル人とは異なる側面を多く持ちつつも、ブラジル人の陰に隠れて南米人として一括りにされがちなペルー人について、多角的に分析を行った。社会的意義は、これまで書き手ではなく表象の対象としてしか扱われてこなかったペルー人が、日本語とスペイン語の双方で自らの経験を記述し分析して発信したことにある。そのため書籍の執筆者も、日系日本人2人に対してペルー系5人となっている。そのうえ、(日本語とスペイン語の)バイリンガル書籍は、日本の移民研究で初めてである。これは、ニューカマー外国人に関する将来的な研究の先駆例たりうる。
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