研究課題/領域番号 |
20K20778
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
杉山 あかし 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (60222056)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 社会調査法 / AI / 社会調査 / 人工知能 / ニューラルネットワーク / 社会認識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、既存の社会調査データをAIを使用して再分析し、従来型の社会調査・分析と比較し、それぞれの手法の背景にある知、すなわち、社会調査的「知」と AI 的「知」の特性について考察するものである。マーケティングや政治戦略の構築において、これまで主流であった社会調査的手法に代わって、AIによる分析が広範に利用されつつあり、両者は同じことを行う別の手法であると受け取られやすいが、比較的少数のデータから統計指標へと抽象化された“事実”を抽出する社会調査と、抽象レベルはソフト任せで、ビッグデータから個別の“現実”を予測するAIの差異は大きい。AIが用いられる、現代の社会認識のあり方について考察する。
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研究成果の概要 |
本研究は、既存の社会調査データをAIを使用して再分析し、従来型の統計分析と比較し、それぞれの手法の特徴を探ったものである。AI分析では、データ学習の後、特定の変数を予測させたが、現在のコンピュータ処理能力ではすぐに過学習となり、かなりの精度で予測に成功しても、それをAI分析の成果と評価できない事態となった。再分析の対象としたデータは、2件の、有効回答者数それぞれ4万程度の、文化社会学分野の調査としては例外的に多数の回答を得た調査となるが、まだ全く不足であった。一方、社会統計手法に依る推計でも大差ない結果を得ることができ、従来手法は、少ない情報量から有効な「知」を得る方法であることが確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、マーケティングや行政、政治戦略の構築において、これまで主流であった社会調査的手法に代わって、AIによる分析が広範に利用されつつある。両者は同じことを行う別の手法であると受け取られやすいが、比較的少数のデータから統計指標へと抽象化された“事実”を抽出する社会調査と、抽象レベルはソフト任せで、ビッグデータから個別の“現実”を予測するAIの差異は大きい。両手法の特徴を探った本研究は、人間にとって、社会を認識するということが何なのか、その含意を示唆するものとなった。
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