研究課題/領域番号 |
20K20779
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森藤 香奈子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70404209)
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研究分担者 |
今村 明 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (40325642)
黒田 裕美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50512042)
高尾 真未 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (90882465)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ダウン症 / 認知機能 / 尺度開発 / 認知評価 / 情報評価尺度 / 評価尺度 / 認知評価尺度 / ダウン症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
ダウン症候群は、染色体異常症の中でも最も頻度が高く、適切な健康管理と生活支援により、よりよく生活ができる先天性の障害である。医療技術の進歩により平均寿命が60歳程度と延長しており、加齢による認知機能低下が課題である。しかし、これまで認知機能の変化を観察できる評価ツールがなかった。本研究により、簡便かつ縦断的なダウン症者の認知機能評価が可能となれば、ダウン症者とその家族の生活の質の向上に貢献できる。また、家族によるダウン症者の介護が困難になった時に、縦断的評価の記録があれば、介護や生活支援の引継ぎにも役立てられることが期待できる。
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研究実績の概要 |
日本語版CS-DSと田中ビネー知能検査Ⅴとの比較について、コロナ禍の受診制限および各種申請書類に期限延長などの措置により、対象者確保に時間を要した。 高尾ら(2021年)のデータ収集の際、対象拡大を視野に入れ、CS-DSの対象となる16歳未満のダウン症者にも調査を依頼していた。二次分析の結果、限定的ではあるもの、概ね10才頃から使用できる可能性が示唆された。本件については、第36回日本ダウン症療育研究会 で報告した。この結果をふまえ、今回のダウン症者/非ダウン症者の比較では、9才以上の対象者で分析を行った。 ダウン症者59名、非ダウン症者28名をリクルートした。CS-DSの評価を行ったダウン症者44名のCronbachαは0.926、非ダウン症者25名はCronbachα0.960であった。さらに田中ビネー知能検査Ⅴでの評価を行ったダウン症者41名、非ダウン症者19名を分析した。9才以上の対象者では、性別、平均年齢に有意な差はなかった。田中ビネー知能検査ⅤにおけるIQの平均も有意差はなかったが、精神年齢は非ダウン症者が高い傾向であった(p=0.007)。CS-DSの総得点および3つの下位項目もダウン症者/非ダウン症者間に有意な差は認められなかった。 CS-DSの本来の対象者である16歳以上(ダウン症者23名、非ダウン症者15名)で分析したところ田中ビネー知能検査Ⅴにおいて、ダウン症者、非ダウン症者共に生活年齢の修正があった者に精神年齢と日本語版CS-DSの下位項目<記憶機能>に有意な相関が認められた。田中ビネー知能検査Ⅴの生活年齢の修正は、18才以上であり、年齢が高く、生活年齢の修正が必要な場合、ダウン症者以外でもCS-DSによる観察が生活支援の目安となる可能性がある。
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