研究課題/領域番号 |
20K20788
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
南 保輔 成城大学, 文芸学部, 教授 (10266207)
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研究分担者 |
岡田 光弘 成城大学, 文芸学部, 非常勤講師 (30619771)
西澤 弘行 武蔵野美術大学, 造形学部, 非常勤講師 (50296068)
坂井田 瑠衣 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (90815763)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 触覚 / 複合感覚的相互行為 / エスノメソドロジー / 会話分析 / ワーク / インクルージョン / インストラクション / 反響定位 / 観察社会学 / 三人称研究 / 複感覚的相互行為 / 非対称的インタラクション |
研究開始時の研究の概要 |
主に活用されている感覚モダリティが非対称的であるひとびとの間、すなわち機能障害があるひとと機能障害のないひととの非対象的インタラクションを比較対照し統合を試みる。視覚障害者や失語のあるひと、盲ろう者などの障害者の関与するインタラクションの録音録画記録をエスノメソドロジー・会話分析によって研究する。直接経験として接近することが難しい経験について、フィールドワークによって得られたデータを活用して、自然的な態度の構成的な現象学という視点を徹底することで現象学的社会学への提言をおこなうことをめざす。
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研究実績の概要 |
感覚モダリティが非対称的である人びとの間のインタラクションとして,視覚障害者の歩行訓練場面の研究を中心に進めた。視覚障害者の保持している白杖を歩行訓練士がつかんで操作する「ガイディッドタッチ」に着目した分析をまとめて国際学術誌『Human Studies』に英語論文を発表した。2種類の「デモンストレーション」を対比した。ひとつは、特殊な3点タッチをガイドするもの、もうひとつは目の前のガードレールに白杖を当てることで「通れない」という事態を「デモンストレーション」するものだった。また、歩道上の車止めについて学ぶやりとりを分析した論考をデンマーク人研究者Brian Dueと共同執筆し論文集に発表した。白杖を使った走査から手による精査への移行が日本とデンマークの双方の事例に観察された。 歩行訓練士による存在動詞と知覚動詞の使用(「(A)が/はXです」「Xがあります」「Xが出て来ます」「Xが見えます」)を対象への志向性の4つの側面(アドホック/学習可能,ランドマーク/非ランドマーク,情報/指示,応答/非応答)から分析し2023年6月の国際学会(IPrA)で報告した。 利用可能な感覚資源の非対称性の相互行為への現れとして、歩行訓練士の言語表現に着目した分析を行った。高度な反響定位のスキルを有する視覚障害者にたいして、それを持たない歩行訓練士は,非対称性に配慮した表現を採用していた。「〇〇が見えます」と,「〇〇があるのがわかりますか」,そして「〇〇があるかんじがわかりますか」という3つである。歩行訓練士は,視覚障害者による認識と確認の根拠への配慮を表示していた。この研究は,2024年6月の国際学会(IIEMCA)において報告予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調である。
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今後の研究の推進方策 |
研究のまとめを行うとともに,新たに視覚障害者の歩行訓練場面の調査を実施する。また,国際学会(IIEMCA)での研究報告を実施する。
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