研究課題/領域番号 |
20K20789
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
倉持 香苗 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 准教授 (40469044)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 地域共生社会 / 市民ファンド / 地域づくり / 企業の社会貢献活動 / 地域福祉 / ファンドレイジング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、企業が創出する市民ファンドの活動に着目し、地域共生社会の実現を目指す社会において企業が果たす地域貢献の可能性を見出すことを目的とする。研究を達成するために、第一に、全国の市民ファンド団体に対するアンケート調査を実施し、市民ファンドを募る段階から配分の決定に至るまでのプロセスを明らかにする。第二に、アンケート調査で得た結果を基に、市民ファンド団体の類型化を試みる。第三に質的調査を実施し、企業や地域住民の参画状況、運営者の市民ファンドに対する思い等を明らかにする。本研究により、地域共生社会の実現に向けて地域全体で支え合う関係を構築するための一つのモデルを提示することができると考える。
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研究実績の概要 |
2022年度は、前年度に実施したアンケート調査の集計および分析作業をおこなった。調査の目的は、市民ファンド団体の運営体制を把握することおよび市民ファンドに企業からの寄付金が含まれているか否かについて状況を把握することである。調査は2022年2月8から3月25日にかけて実施し、調査票の配布数は84票、回収は39票であった(有効数35票、有効回収率41.7%。39票のうち4票は対象外として除外した)。 市民ファンド団体の運営体制に関する主な事項は、以下の通りである。①市民ファンド団体の法人格について(「NPO法人」7.4%、「認定NPO法人」25.9%、「公益財団法人」48.1%、「一般財団法人」3.7%、「法人格を取得していない(任意団体)」14.8%)。②市民団度団体設立のきっかけについて(「個人の意思により設立」5.7%、「企業の社会貢献活動がきっかけとなり設立」2.9%、「非営利組織が主体となり設立」34.3%、「行政が主体となり設立」20.0%、「その他」25.7%)。③常勤スタッフの人数(「0名」29.0%、「1名」6.5%、「2名」19.4%、「3名」6.5%、「4名」9.7%、「5名」6.5%、「6-10名」6.4%、「11-20名」9.6%、「21-50名」6.4%)。また、企業の売り上げの一部から寄付を募り、市民活動に配分する事業については、「ある」42.9%、「ない」51.4%、「その他」5.7%であった。 詳細な分析作業は次年度の取り組み課題とするが、市民ファンド団体が公的機関等から助成金等の支援を受けているか、助成先に「子ども食堂」や福祉課題につながる活動をしている団体が含まれているか、どのように助成先を決定しているか等に関しても焦点を当て、分析作業を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由は2点ある。第一に、コロナ禍において学内業務に比重を置かざるを得ない環境だったこと。第二に、新カリキュラムに伴い業務が増大したことである。したがって、現地訪問を実施することができず、アンケート調査の分析作業を実施するに止まった。調査結果に基づいた情報収集については、次年度の研究課題としたい。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、これまで実施したアンケート調査の分析作業を行う。また、調査結果に基づき、運営および助成金配分について特徴がみられる市民ファンド団体に関する情報収集をおこなう。地域共生社会において、地域住民はもちろんのこと、その地域に拠点を構える企業も地域を構成する一員として捉えると、今後さらに、社会福祉領域に限らず幅広い領域の人および機関が地域を基盤とする活動を支援していく必要がある。したがって、配分先に、福祉課題の解決に関する活動を支援しているか否かという点や、助成先(配分先)決定に市民が参画しているか否かという点にも焦点を当て、支え合う地域社会の創造に資する分析作業を進めていきたい。 ヒアリング先の訪問については、前年度に引き続きコロナ禍により活動(移動)を縮小したほか、業務多忙により実施することができなかった。次年度は訪問による情報収集を実施することを基本とし、場合によってはZoom等のオンラインビデオ通話を活用し、情報収集に努めたい。
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