研究課題/領域番号 |
20K20798
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
安藤 秀俊 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (70432820)
|
研究分担者 |
奥寺 繁 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20625941)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | チョウ / 理科 / 羽化制御 / フィールド調査 / 環境教育 / 絶滅危惧種 / 小学校理科 |
研究開始時の研究の概要 |
小学校の理科では,チョウを例として実際に児童が飼育・観察する学習がある。しかし,蛹から成虫に変態する「羽化」の現象の大半は明け方の数分間に行われ,児童が観察することはほぼ不可能である。「チョウの羽化の瞬間」に立ち会う直接体験は,生命の神秘性や尊さ,そして何よりも感動を呼び,その感動が児童・生徒のその後の人生に大きな影響を与え,多大な教育的効果が期待される。本研究の主とする目的は,小学校の授業時間中にチョウの羽化の現象を観察させ,感動のある生物観察を実現させる教材の開発(羽化制御法)を行うことであるが,利用可能なチョウの探索及びフィールド調査も並行して行い,環境教育,保全生態学の視点も考慮する。
|
研究成果の概要 |
小学校理科ではチョウが蛹から変態して羽化する様子を観察させるが,羽化は早朝に行われることが普通で,羽化を観察することは極めて難しい。そこで,授業中に羽化を観察する制御法を検討した。モンキチョウの母蝶から卵を強制採卵し幼虫を飼育し,蛹の有効積算温度と発育零点から羽化時期を予想し,蛹を低温処理後再び加温することで,意図する時期に羽化させる客観的な指標として,蛹色の変化と質量の減少率を測定することを試みた。その結果,蛹の色の変化と蛹の第4腹節付近の空隙化に伴う質量の減少から,25~45分以内に羽化することが確認できた。また絶滅危惧種のチョウの調査を行い,環境教育と保全生態学の観点から教材を検討した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小学校の理科では,チョウの羽化を観察させる学習がある。しかし,授業中に観察することはほぼ不可能に近い。本研究の目的は羽化メカニズムの解明ではなく,羽化のタイミングを検討することで,「予定した時間に羽化させる方法」と,実際の学校現場での「実践授業を行うことによる教育的効果の検証」であり,昆虫生理学の先端的な専門知識を初等教育の理科の授業に導入しようとするものであり,理科の教材としての意義は極めて高い。また,本研究のもう一つの目的は,環境教育および生態保全学の観点から,我が国において絶滅危機に瀕しているチョウの現状をフィールド調査することであり,その結果を教材化することにも大きな意義がある。
|