研究課題/領域番号 |
20K20802
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
溝田 浩二 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00333914)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 在来知 / 環境教育 / 遊び仕事 / 継承 / 島嶼世界 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の農山漁村で営まれてきた小さな生業である「遊び仕事(マイナー・サブシステンス)」には、持続的な生物資源利用に関する在来知が凝縮されている。近年、「遊び仕事」と環境教育とをつなぎ合わせ、地域に残る伝統技術や文化を巻き込んだ新たな環境教育の展開に大きな期待が寄せられている。しかしながら、「遊び仕事」の世界はきわめて可視化しづらく、次世代に継承されないまま消失の危機に瀕しているという現状がある。本研究では、島嶼世界の「遊び仕事」に焦点を当て、人と自然との豊かで有機的なつながりを“見える化”することで、 「遊び仕事」を次世代へと継承していくための環境教育ツールを開発する。
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研究実績の概要 |
日本における従来の環境教育は、そのフィールドを国内の環境に求めながらも、ベースとなる環境思想や環境教育プログラムは先進地である欧米をモデルとしてきた。その反省から、日本独自の自然観や生活知を基盤とした環境教育の構築が待望されており、日本の農山漁村で営まれてきた「遊び仕事(副次的・周縁的生業、マイナー・サブシステンス)」に大きな期待が寄せられている。その理由は、「遊び仕事」には持続的な生物資源利用に関する在来知が凝縮されており、それを環境教育とをつなぎ合わせることによって地域に残る伝統技術や文化を巻き込んだ新たな環境教育が展開できる可能性があるからである。しかしながら、「遊び仕事」の世界はきわめて可視化しづらく、次世代に継承されないまま消失の危機に瀕している。本研究では、島嶼世界の「遊び仕事」に焦点を当て、人と自然との豊かで有機的なつながりを“見える化”することで、「遊び仕事」を次世代へと継承していくための環境教育ツールを開発する。島嶼世界のモデルとして、ベンガルヤマネコの亜種(ツシマヤマネコ、イリオモテヤマネコ)がそれぞれ分布する対馬(長崎県)と西表島(沖縄県)という2つの島嶼を取り上げ、それぞれの島嶼で展開されている「遊び仕事」を比較することで、「遊び仕事」 が二つの島嶼世界に果たしている役割を明らかにしていく。2023年度は対馬および西表島において「遊び仕事」に関するフィールド調査 (参与観察、聞き取り調査など)を実施し、在来種ミツバチの有無という視点から両島の生態系を比較・分析を行なった。それらの成果の一部は、日本環境教育学会第34回年次大会、ミツバチサミット2023、対馬学フォーラム2023などで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の初期段階(2020年度および2021年度)に新型コロナウィルス感染症の影響によって離島への渡航が著しく制限され、また2023年度は長期海外出張が入ったため、現地でのフィールド調査を十分に進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
対馬および西表島における「遊び仕事」に関するフィールド調査(参与観察、聞き取り調査)に取り組みつつこれまでに得られた成果をまとめ、人と自然の有機的なつながりや在来知を“見える化”する環境教育ツールを開発する予定である。
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