研究課題/領域番号 |
20K20816
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
白水 始 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 総括研究官 (60333168)
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研究分担者 |
益川 弘如 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (50367661)
辻 真吾 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (80431823)
齊藤 萌木 共立女子大学, その他部局等, 専任講師 (60584323)
飯窪 真也 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (40609971)
市川 治 滋賀大学, データサイエンス学部, 教授 (00821612)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | グループ活動 / 話量 / 理解 / 協調学習 / 知識構成型ジグソー法 / マルチレベル分析 / 発話量 / 建設的相互作用 / モニター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は対話的な学習場面において沈黙しがちな子どもでも深く学ぶ機序と授業の条件を明らかにするために、小中高校において収集済みの148授業1059グループ3706名の対話データを基に量的・質的研究手法を融合して発話量と学習成果の相関関係及び対話過程の分析を行い、寡黙な学習者の認知モデルを開発する。それにより、教師が寡黙な児童生徒でも学ぶことができる授業をデザインし、児童生徒の認知過程を推察し沈黙の質を見分けて深い学びを実現する過程を支援する。研究は、二年間を通して【相関分析・予測】【対話分析】【社会実装(教員支援)】の3つの軸で行う。
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研究成果の概要 |
本研究は,対話的な学習場面において沈黙しがちな子どもでも深く学ぶメカニズムと授業の条件を明らかにするために,小中高校で収集済みの対話データを基に,量的・質的研究手法を融合して寡黙な学習者の認知モデルを開発するものである. 中高の知識構成型ジグソー法7授業61グループ172名の発話量と学習成果の関係を調べたところ,両者の相関係数はr=.07と低く,寡黙に理解を深めている生徒の存在が示唆された.質的検討から,寡黙な生徒が他の生徒の会話をよく聞いており,資料中の情報をおさえ,要所でそれを結び付ける役割を担っていたことが示された.場の対話の論点を先取り,拡張することに長けたモニターの特徴が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
教育実践は学術的に未検証の前提に立ってなされることも多く,実践の成果検証はその前提の検証も共に行われることが望ましい.「主体的・対話的で深い学び」の実践において,対話的な学びを発話量の増加を目指して行い,その成果を全員平等の活発な対話で測るとするならば,果たして発話量の多寡が学びの深まりと相関するのかの検証が必要である.本研究はこうした検証の一例を示した意義を持つ.成果の一部は,文部科学省の「教育データの利活用に関する有識者会議」の論点整理に掲載された.教育データの利活用も,このようにデータを各種の介入など取組の前提の検証に使われるべきとの示唆を発信できた.
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