研究課題/領域番号 |
20K20828
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小川 啓一 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (90379496)
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研究分担者 |
芦田 明美 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (30749164)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 就学前教育 / 教育政策 / ベトナム / ラオス / カンボジア / 教員政策 / 教育開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、家計調査データ等を用いて、事例各国の幼児教育・保育施設へのアクセスの現状、教育施設および教員の供給にかかる公的および私的財政支出の現状に関する定量的分析を実施する。また、幼児教育・保育を提供する就学前教育施設や勤務する教員、子どもを施設に送っている保護者を対象としたインタビュー調査を行い、そこから得られた定量的・定性的1次データの分析を行う。これらの定量的・定性的分析結果に基づいた新たな理論枠組み・評価指標の開発、事例各国に対する政策提言の策定・発信を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では、ベトナム、ラオス、カンボジアの幼児教育・保育が抱える大きな課題が、公立の就学前教育を提供する施設と正規の資格を有する教員の不足であることが明らかになった。就学前教育の普及に大きな役割を担う民間の就学前教育施設においても、無資格の教員や適切な現職教員研修のない状態で勤務する教員の多さにより教育の質が低い事例が多くみられた。定量的・定性的な一次データの取得と分析を目的に行なった現地調査においては、地方での教員の不足に加えて、継続的な現職教員研修の欠如によって、新たな指導要綱や学校運営規範の普及と実施に影響が生じており、教員の知識や教授法の質の担保が課題となっていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、新たな原理の発展や方法論の提示に関わる世界に先駆けた挑戦を行うことで、幼児教育・保育財政分野での研究の方向性を転換させることを試みた。第一に、幼児教育・保育財政に関する研究分野で開発途上国の文脈に即した新たな理論枠組みや評価指標を提示した。第二に、本研究では、私的支出の状況、民間の施設に在籍するという選択肢の存在が公正なアクセスの保証に及ぼす影響等に関する定量的分析手法を、幼児教育・保育の分野で応用した。幼児教育・保育財政分野での家計調査データ等を用いた分析は特に開発途上国においてあまり進んでいないため、本研究の成した学術的な意義は高いと言える。
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