研究課題/領域番号 |
20K20833
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
影山 和也 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60432283)
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研究分担者 |
上ヶ谷 友佑 広島大学, 附属福山中・高等学校, 教諭 (80813071)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 計算論的思考 / 数学教育 / ICT / 編集 / 数学的思考 / カリキュラム / 戦略的ゲーム環境 / 関数 / コネクテッド教室 / コンピュテーショナル・シンキング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,ICTの利活用によって教師・生徒・資料が常時つながり合ったコネクテッド教室において,教育に関わる伝統的信念の漸進的転換を生徒の視座から進めるためのエビデンスを収集することである。 具体的には「コネクテッド教室で生徒は何を感じ,どのように学びを進めるか」を問う。そのために,数学科授業からのデータの分析およびアンケート調査によって生徒の活動パターンを捉え,学び方の視点で解釈する。授業実践では数学およびコンピュテーション(計算)に関わる能力の育成を意図して開発するソフトウェアを使用する。この取り組みによって,変革期の教育において教師が自信をもって関与することができるようになる。
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研究成果の概要 |
本研究は、コネクテッド教室(インターネットの常時接続によって、ウェブアプリの使用やオンラインでの交流などが可能な教室)において、教育に関わる伝統的信念の転換を生徒の視座から進めるためのエビデンスを収集することを目的とした。短期的・長期的に収集した高等学校数学科授業データの分析によって、ウェブアプリによって可能になった実験や検索を通して、生徒自身が驚きや自信、喜びといった感情を持ちながら主体的に活動していることが分かった。また、生徒らは、関連するリソースの収集と編集、他者の考察の道筋の共有・相互評価というように、環境に適応して自らの学びを調整しながら進めている実態が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
しばしばICTの利活用推奨のもとで、ある内容の効果的な指導・学習方法が論じられるが、生徒の実態にしたがって本研究が提出した「編集」という学習スタイルは、そうした環境下で適切であるからこそ生徒自身によって編み出されたものであり、何を・どのように学ぶかを自らで作り出して選択するところに真の意味での個別最適な学びがあることを本研究の成果は示している。さらにそこに、自信や喜びのような肯定的感情を伴っているとすれば、学習に対して負の感情を抱きがちな状況に対して、よい問いと環境とをデザインすることが改善の第一の糸口になりうることが導かれる。
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