研究課題/領域番号 |
20K20851
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 (2022) 國學院大學栃木短期大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
中村 耕作 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30548392)
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研究分担者 |
早川 冨美子 國學院大學栃木短期大学, その他部局等, 教授 (20320632)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 縄文土器 / 音楽 / 文化財 / 新たな価値の創造 / 協働的な学び / 主体的な学び / 社会教育 / 歴史教育 / 音楽教育 / 課題解決型学習 / 生涯学習 / 博物館教育 / ワークショップ / 創造性 / 構造 |
研究開始時の研究の概要 |
縄文時代・縄文土器に関する考古学の成果と、音楽教育における「音楽づくり(創作)」の方法をコラボレーションすることで、歴史教育・音楽教育双方に有効な「縄文土器文様のパターンを音楽で表現する」という新たな体験プログラムを内容的・理論的に高度化し、一般化することを目的とする。具体的には①ワークショップを開催し、音楽づくり教育の専門家の助言を得て内容を高度化するほか、②「構造」という土器・音楽の共通性や、異分野・機関のコラボレーション・連携の理論的基盤を整理する。本研究では音楽教育の専門家や学校教員・博物館学芸員などの外部研究者と協力しながら内容の高度化を図る。
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研究実績の概要 |
2022年度は、縄文と音楽という異質な要素をかけあわせ、主体性と協働性を育みながら新たな価値を創造することを目標とし、埼玉県春日部市郷土資料館、栃木市蔵の街楽習館(公民館)、埼玉県蓮田市中央公民館・文化財展示館においてワークショップを実施した。春日部は前年度に続く2回目、栃木市は会場を変えて2回目、蓮田市は前年度中学校で実施したことをうけて社会教育の場での実践を要請されたもので、いずれも前回を発展的に継承した取り組みである。毎回、音楽教育、文化財活用、博物館学、生涯学習等の専門家を招き、事後検討会を実施し、次回の実践で課題の克服を目指した。 具体的には、春日部では、音に加えて、新たに身体の動きで縄文を表現することを試みた。栃木市では、館のコーディネートにより公募ではなく2つの高校の部活動を招き、高校生ならではの分析力・表現力を発揮したワークショップを開催できた。蓮田市では、公民館が発案し、文化財展示館と共同で、展示館の縄文土器を利用し、隣接する国史跡黒浜貝塚を会場の一部として活用するという良好な場での実践となった。内容的にも、前期の土器と中期の土器の違いを音で表現し分けることを試み、一定の成果を得た。 2021年度までのワークショップの成果については、考古学研究会、全日本博物館学会、日本音楽教育学会で発表し、2021年度末に実施した中学生を対象とした実践の報告を執筆した。2022年度の成果については、2023年度の日本考古学協会総会にて発表を予定している。 【研究協力者】 實松幸男・鬼塚知典(春日部市郷土資料館)、鈴木廣志・永田陽一(栃木市蔵の街楽習館)、横山りつ子(蓮田市中央公民館)、小林美穂(蓮田市文化財展示館)、永岡和香子(浜松学院大学短期大学)、近藤真子(文教大学)、石井ゆきこ(東京都港区芝小学校)、中尾智行(文化庁)、橋口豊(横浜市歴史博物館)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は当初計画の最終年度であり、関連する他のグループの実践を含めた研究会を開催し、本研究の総括を行う予定であった。しかし、コロナ禍の影響で、実践の進捗が遅れたこともあり、研究会は次年度に延期することとした。
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今後の研究の推進方策 |
実践プログラムとしては、長時間を確保し他の縄文体験と合わせたプログラムや、成人を対象としたプログラムを試行する。また、本実践プログラムの関係者のほか、他館等において縄文×音楽・アートの活動を実践している方々を招き、活動の意義や課題、展望について総括する研究会を開催し、その成果を発信したい。
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