研究課題/領域番号 |
20K20855
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
千々布 敏弥 国立教育政策研究所, 研究企画開発部教育研究情報推進室, 総括研究官 (10258329)
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研究分担者 |
倉本 哲男 横浜国立大学, 大学院教育学研究科, 教授 (30404114)
田村 知子 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (90435107)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 教育課程 / 省察 / リフレクション / ソーシャルキャピタル / エージェンシー / 社会関係資本 / 組織文化 / 組織開発 / 授業研究 / 校内研究 / 指導主事 / 意志決定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、学校がカリキュラム・マネジメントを実施することを通じて校内にプロフェッショナル・キャピタルを構築するメカニズムを解明することを目的としている。プロフェッショナル・キャピタルとは、ハーグリーブスとフーラン(2012)が提起した、教師の専門性を高める資源構築を個人、教師集団、省察の積み重ねなどの視点で捉える枠組みである。カリキュラムそのものでなく、カリキュラム・マネジメントを通じた教師の力量、同僚関係、集団省察等が深まる状況を分析しようとしている。そのために本研究は多様なカリキュラムマネジメントの事例を分析することとしている。本研究を通じ、学校の組織開発の視点が得られると予想している。
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研究成果の概要 |
本研究はハーグリーブスとフーランが提起したプロフェッショナル・キャピタルの枠組みに従い、学校の人的資本、社会関係資本、意思決定資本がカリキュラム・マネジメントを通じて組織的に変容する構造を分析するものである。 本研究は意思決定資本を技術的省察、実践的省察、批判的省察の省察三段階と教師エージェンシーで分析することとした。 本調査研究ではこの枠組みを使用してある中学校を分析した。同校は当初技術的省察のみが見られたが、社会関係資本が増大するに伴って実践的省察に取り組む教師が増えてきた。最終段階で同校はカリキュラム・マネジメントに取り組み、教師集団の批判的省察とエージェンシーの増大が見られるようになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学習指導要領にカリキュラム・マネジメントの語が誕生して以来、カリキュラム・マネジメントにどう取り組んでいいかに迷う学校が増えつつある。カリキュラム・マネジメントに関する先行研究がカリキュラム開発論からアプローチするものと教育経営論からアプローチする論が存在していることも、現場が混乱することにつながっている。本研究の考察を通じ、カリキュラム・マネジメントの本質は教師エージェンシーの涵養と批判的省察の実践にあること、それを通じて人的資本(ヒューマンキャピタル)、社会関係資本(ソーシャルキャピタル)が増大すること、すなわちプロフェッショナル・キャピタルが増大することが重要であることが明らかになった。
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