研究課題/領域番号 |
20K20869
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
中田 光紀 国際医療福祉大学, 医学研究科, 教授 (80333384)
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研究分担者 |
井上 由貴子 産業医科大学, IR推進センター, 助教 (00862525)
永田 智久 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (40525466)
藤木 通弘 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (80334928)
山川 誠司 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 講師 (80787482)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 社会的ジェットラグ / 睡眠負債 / 睡眠教育 / 生物心理学的基盤 / 労働者 / インターネット調査 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、労働者の睡眠問題、特に平日と休日の睡眠時間帯のずれによる社会的ジェットラグが様々な健康問題を引き起こすことが知られるようになった。これらは長時間労働や過重労働が主な原因と考えられ、職場うつや過労死・過労自殺発生の背景となっている。本研究はこの問題を解決するために、日勤労働者数百名を対象に社会的ジェットラグの健康影響を前向き研究から明らかにする。調査は参加企業の健診と併せて実施し、その際に健診の残血清を用いて炎症マーカーを測定する。最終的には、これらのエビデンスに基づき、社会的ジェットラグを予防・解消するための睡眠教育プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
近年、労働者の睡眠問題、特に睡眠負債(日々の睡眠不足の蓄積)や社会的ジェットラグ(平日と休日の睡眠時間帯のずれによる時差ぼけ)が大きな社会問題となっている。これらは長時間労働や過重労働が主な原因と考えられ、職場うつや過労死・過労自殺発生の背景となっている。この現状を解決するために、本研究は働く人々の社会的ジェットラグの健康影響を前向き研究から明らかにし、そこから得たエビデンスをもとに予防法を考案し、有効性を評価する。最終的に社会的ジェットラグを解消するための睡眠教育プログラムを開発することを目指すものである。 本研究においては日勤労働者を対象に、健康診断時に睡眠に関する詳細な調査を実施し、併せて健康診断データとリンクさせ、さらに残血清を用いて炎症マーカー(CRPやサイトカイン)の測定を実施した。多様な炎症マーカーの測定と同時に一般健康診断項目も測定し、睡眠の影響による健康状態を総合的に調査する。仕事のストレス、睡眠以外の生活習慣(喫煙、食生活、運動、飲酒等)も詳細に調査を行う。なお、コロナ禍により当初5月に予定していた健康診断を8月末に実施し、2年目のデータは無事取り終えた。しかし、諸事情により来年度は対象企業からの協力の見込みがないため、2021年11月と2022年3月に中小企業従業員を対象にネット調査を行った。現在、3回目の調査(2回目のフォローアップ調査)の実施を予定している。 もう一つの大規模職域疫学研究は、これまで収集した既存データの解析を進めることである。約7万人の日勤労働者のデータを解析し、社会的ジェットラグとクロノタイプのメンタルヘルス、食行動、疲労、欠勤や病欠、腰痛・肩こりなど筋骨格系障害に対する独立した影響を検討した。これらについては各種の国際学会、国内学会で発表済であり、原著論文完成に向けて準備している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
某食品製造業企業において、日勤の労働者約400名を対象に睡眠調査データ、健康診断データと炎症マーカー(CRPやサイトカイン)は2020年8月に無事データの測定を終えた。データクリーニングも終了済である。もう一つの大規模職域疫学研究であるが、約7万人の日勤労働者のデータを解析し、社会的ジェットラグとクロノタイプのメンタルヘルス、食行動、疲労、欠勤や病欠、腰痛・肩こりなど筋骨格系障害に対する独立した影響を検討し、各種の学会で報告した。現在、原著論文を執筆中である。また、あらたにインターネット調査を実施し、1回目のデータを2021年11月に調査を実施し、2022年3月に2回目の調査、2023年7月頃に3回目の追跡調査の実施を予定している。これらの研究は世界睡眠学会、米国心理学会、国際行動医学会、日本産業衛生学会、日本心理学会、日本睡眠学会、日本公衆衛生学会、日本行動医学会などで発表済である。現在、国際学術雑誌の投稿に向けて論文を執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
過去3年間、職域における調査はコロナ禍の影響もあり、実施が極めて困難であったが、協力企業とも調整を繰り返しながら継続実施を検討した。2020年の8月実施を最後に継続は困難との判断になった。その対策として、同時並行で計画していたインターネット調査を2022年11月に実施した。この調査では中小企業に勤務する労働者2000名を対象として調査を実施し、2022年3月に2回目の調査、2023年7月頃に3回目の調査を実施予定である。インターネット調査の結果と企業調査の結果を比較することも視野に入れ、検討する予定である。
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