研究課題/領域番号 |
20K20871
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
緑川 晶 中央大学, 文学部, 教授 (90421833)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 発達障害 / 高齢期 / 認知症 / 心理職 / 認知症疾患医療センター / 自閉症スペクトラム / 前頭側頭型認知症 / ケアマネージャー / アセスメント / 高齢期の発達障害 / アスペルガー症候群 / ADHD / 加齢変化 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで発達障害と認知症は異なった領域で研究が行われていたために、その接点が見いだされることは稀であった。そのため特に高齢期の発達障害に関する研究は不足しており、認知症との判別や認知症が合併した場合の病態像については十分な情報が得られていない。本研究では、介護現場における高齢期の発達障害に関する実態を明らかにするとともに、得られた知見を臨床現場にも還元し、これまで関心や情報が乏しかった高齢期の発達障害について研究を進展させることを目指したものである。
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研究実績の概要 |
発達障害は児童期や青年期だけでなく、高齢期においても注目されているが、まだ十分に理解されていない。このため、高齢期の発達障害の診断や対応には困難が伴っている。日本において、医療的な治療や介入が必要な高齢者のケアは、主に認知症疾患医療センターが担当し、日常的な支援が必要な高齢者は居宅介護事業所が対応している。しかし、発達障害の特徴を持つ高齢者への具体的な理解や対応方法は明らかではない。そこで、本研究では、認知症疾患医療センターの心理士と居宅介護支援事業所の介護支援専門員(ケアマネージャー)を対象に、発達障害の特徴を持つ高齢者への判断と対応の実態を明らかにするための質問紙調査を実施した。質問紙には、発達障害の特徴が見られる架空事例に対して、事例を担当する場合、「発達障害として対応する」「認知症として対応する」「二次障害/BPSD として対応する」から選択を求め、選択した理由についても自由記述で回答を求めた。分析の結果、自閉スペクトラム障害に関する知識は心理士の方が介護支援専門員よりも豊富であり、発達障害の特徴が認められる高齢者の架空の事例に対する対応は、心理士と介護支援専門員で異なることが明らかになった。また自由記述に関する分析においても差異が見られ、当該事例に関する対応方法について、心理士は発達障害をイメージしやすいが、介護支援専門員では認知症やその症状がイメージしやすいことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
認知症疾患医療センターの心理士から想定した人数から回答を得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは支援者を対象に検討を行ったが、今後は家族に該当する事例が存在するか検討を行う予定である。
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