研究課題/領域番号 |
20K20883
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
降籏 大介 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (80242014)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 離散部分積分公式 / 構造保存数値解法 / 差分法 / 対数差分 / 凸多角形分割 / 離散部分積分 / Gauss-Green の定理 / Stokes の定理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では任意次元での任意の凸多角形格子上での厳密な離散部分積分公式群を構成し,厳密な離散変分計算に適用して新しい構造保存数値解法を設計する. 構造保存数値解法を適用可能な離散格子の種類が限定的であることに対し,任意凸多角形格子その staggered 格子の双方の上でそれぞれ有限体積的に微分作用素を離散化し,応募者は同格子上で離散部分積分公式を直接に計算しながら導出する新しい方法を考案,そして必要な離散部分積分公式群を構成することに成功した. 本研究は,この新しい方法により数値解析の専門家の一つの理想である自由格子上での優れた数値計算が得,かつ発展させるものである.
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研究成果の概要 |
基底空間離散化とその上の微分作用素離散化条件について,凸多角形分割した上で piecewise constant な関数空間を用いて離散ベクトル解析を構成し,多くの主要なベクトル解析則を離散的に再現およびその性質を証明するとともに,この手法が適用した構造保存数値スキームを設計できることを示し数値実験でそれを実証した.また既存の構造保存数値解法の高速化手法を上記の新しい離散化手法に適用可能であることを示し,関数解析による分析を進展させた.また,空間対称で数値安定性が高く,誤差profileを制御可能な差分演算子を新たに構成した(参照点上関数値の非線形関数として優れた性質を導入できた).
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
構造保存数値解法とは微分方程式がもつ数学的性質を保存する数値解法であり,複雑さや非線形性の強い問題,超長期軌道計算が必要な問題等の分野では大変重要な数値解法である.しかし定義領域離散化手法が限定的であった.これは任意格子上での離散変分計算を行うことができなかった数学的な事情による.この状況に対しわれわれは自然な数学的拡張により任意凸多角形格子上での離散変分計算を可能とする,この困難を克服する突破口を見出した.自由格子上での数値計算は理想的だが,これまでは同時に数学的性質の多くを失うものであった.これに対し本研究はこの困難を克服し,新しい方向性を創り出せると期待したものである.
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