研究課題/領域番号 |
20K20889
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青木 大 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30359541)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | フェルミオロジー / 量子振動 / 強相関トポロジカル超伝導 / 量子振動効果 / フェルミ面 / 超伝導 / 重い電子系 / 電流誘起現象 / ドハース・ファンアルフェン効果 |
研究開始時の研究の概要 |
電流誘起の新奇なフェルミオロジーを展開することを目的とする。反対称スピン軌道相互作用による特徴的なフェルミ面の性質をドハース・ファンアルフェン(dHvA)効果の新しい測定手法を開拓することで明らかにする。具体的には、カイラル構造を含む空間反転対称性の破れた物質に大電流を流しながらdHvA効果を測定する。電流の有無によるフェルミ面の違いをdHvA振動数から明らかにする。また、フェルミ面上のスピンテクスチャー(スピン構造)を反映した特徴的な軌道交差現象を詳細に調べる。カイラル構造の場合は、電流を逆向きに流した時に現れる変化を調べる。
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研究成果の概要 |
当初予期しなかったUTe2の超伝導とその新現象の発見という、研究の大きなブレークスルーが起きた。このため、UTe2に焦点を絞り、様々な研究を行ってきた。顕著な成果としてUTe2の多重超伝導の発見、圧力下における磁場誘起超伝導の発見が挙げられる。さらに世界最高純度の単結晶育成に成功し、世界で初めて量子振動効果(dHvA効果)の観測に成功した。2種類の二次元フェルミ面が存在し、極めて重い電子状態を形成していることがわかった。さらにバンド計算との比較から、混合価数状態を示唆する結果が得られた。試料の微細加工技術を駆使した電流誘起現象の新たな研究プロジェクトにつながる成果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、電流誘起による新現象をフェルミオロジーの観点から明らかにする挑戦的課題であったが、研究期間中の予期せぬブレークスルーによって、UTe2のフェルミオロジーを含む研究に大きく舵を切ることになった。その結果、多くの顕著な成果が生まれた。量子コンピューターへの応用も期待されるなど、高い関心と激しい国際競争の中、世界をリードする研究成果が得られた。
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