研究課題/領域番号 |
20K20892
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小濱 芳允 東京大学, 物性研究所, 准教授 (90447524)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 強磁場 / 遍歴磁性 / 局在遍歴 / 電気抵抗 / 超音波 / NMR / 熱測定 / スーパーキャパシタ / 1000T / 電気抵抗測定 / 超伝導 / 半金属 / インピーダンス / 超強磁場 / 磁気抵抗 / トポロジカル物性 / トポロジカル物質 |
研究開始時の研究の概要 |
近年提案者により開発された『磁気抵抗測定手法』および『RFインピーダンス測定手法』を用い、幾つかの遍歴化合物における磁気抵抗測定を1200テスラまでの超強磁場領域で執り行う。具体的には、銅系超伝導体で期待されるFFLO相やディラックやワイル電子系における超強磁場物性の探索的研究を行う。これらの研究により、100テスラ以上の超強磁場領域でおこる新奇現象を解明もしくは発見し、これまで研究がそもそも不可能だった『超強磁場領域での遍歴電子系科学』の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、近年発生可能となった1200テスラ級超強磁場を有効活用すべく、同様の超強磁場で作動する測定手法を開発した。これは電子物性を調査する良い方法である電気抵抗測定手法を2種類、対称性を議論できる超音波測定手法の開発である。更に、300テスラほどの磁場をより簡便に発生できる、シングルターン法による磁場発生技術も開発した。 超強磁場領域での技術開発に加え、100テスラとやや弱い磁場であるが、繰り返し磁場発生できる非破壊型パルス磁場での実験技術を開発した。これはNMRや熱測定、さらにはパルス磁場の長時間化に関わる技術である。 このような技術開発を成功させ、強磁場領域での研究基盤が確立された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの物性研究は、もっぱら20テスラ以下の弱磁場領域で行われていた。本研究は、このような探索可能な磁場領域を20テスラから1000テスラ程度の超強磁場領域に拡張させる挑戦的な試みといえる。この挑戦的研究は、『物質の本質を理解する』という学術的な意味を持つ。同時に、スマートフォンやハードディスクなど多種多様な電気製品に利用されている『磁性体』の深い理解を与え、更なる性能向上を将来的に導きうる。このため萌芽的ではあるが、社会的意義も深い研究と考えられる。
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