研究課題/領域番号 |
20K20900
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関山 明 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40294160)
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研究分担者 |
今田 真 立命館大学, 理工学部, 教授 (90240837)
海老原 孝雄 静岡大学, 理学部, 准教授 (20273162)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 光電子分光 / 二色性 / 磁性 / 偏光 / 磁気円二色性 / 磁場 / 強磁性 / 軌道対称性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、従来殆ど不可能と思われていた磁場中における光電子分光を硬X線励起によって実現し、励起光の偏光制御による線/円二色性を組み合わせる。そしてこの手法で、現実の磁性電子系における(エネルギー分解能よりも遥かに小さい)強/反強磁性転移による軌道対称性まで含めた微視的電子状態変化を観測・解明することを目的とする。この目的を達成するために3dないしは4f軌道が不完全殻になっている化合物磁性体の磁場中光電子分光測定を行う。
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研究成果の概要 |
本課題では従来の光電子分光システムを活用して簡便に磁場中光電子分光を行えるようにするために新たな測定試料キャリアを設計・製作し測定試料表面上で50-200 mTの状態で光電子分光測定が可能なことがわかった。このキャリアを用いて単体鉄インゴットおよびMn2VAlの磁場中硬X線励起光電子磁気円二色性(光電子MCD)測定を行ったところ、Fe, Mn, V 2p内殻光電子スペクトルで明確な光電子MCDを観測することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Society5.0実現にはその環境を支える材料が不可欠であるが、とりわけ磁性材料はICT社会に不可欠と言える。一方で磁性材料に求められる性質は多岐にわたり、特に省電力の観点では軟磁性体が有力であるが、残留磁化が小さいことが開発に不可欠な物性解明を妨げることが多々あった。そこで本研究では従来禁忌ともされてきた磁場中光電子分光を実用化し光電子磁気円二色性を観測できるようになった。これは今後の磁性材料・機能制御の点で大きな進歩と言える。
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