研究課題/領域番号 |
20K20913
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
白藤 立 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (10235757)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | プラズマ弾丸 / 大気圧プラズマ / トンネリング / 骨再生スキャフォールド / 親水化 / 大容量 |
研究開始時の研究の概要 |
ヘリウムガスを用いたプラズマ弾丸伝播型の大気圧プラズマジェットを誘電体プレートに照射すると,プレートをトンネルして伝播するかように,プレートの裏面側にプラズマジェットが現れることがある.このプラズマジェットのトンネル現象は,通常の物質輸送型のジェットではあり得ない現象であり,学術的に極めて興味深い現象である.本研究では,この特異な現象を説明するために申請者が考えた仮説を実験や計算に基づいて検証する.また,この現象は,骨再生スキャフォールドなどの連続多孔質誘電体内壁の親水化を簡便に高速で行う技術に利用できる可能性を秘めており,本研究においてその実用性を検証する.
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研究成果の概要 |
プラズマ弾丸が誘電体をトンネリングするという現象が,弾丸着弾時の蓄積電荷由来の局所電場によって裏面側に新たなプラズマ弾丸を生成する,というモデルで説明されることを実験的に示した.パルス電圧印加によって弾丸着弾時の電場形成を模擬することで,面発射型プラズマ弾丸の発生が可能であることを実証した.パルス電圧の急峻な立ち上がり特性(約30 MV/s以上)が面発射型プラズマ弾丸の発生に必要であることを明らかにした.プラズマ弾丸のトンネリングや面発射型プラズマ弾丸を応用することにより,従来の大気圧プラズマジェットの単純な照射では実現できなかった骨再生スキャフォールド内部の高速親水化が可能となった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義は,①これまでチューブ状の誘電体が主な研究対象となっていたプラズマ弾丸のトンネリング現象がプレート状の誘電体の場合にも明確に観測されること,②その研究成果をもとにして,従来はチューブノズルから射出されていたプラズマ弾丸が平面状の誘電体面からでも射出可能であること,③本方式により,従来よりも大体積の低温大気圧プラズマが得られること,を示したことにある.本研究の社会的意義は,上記の現象を巧みに使うことで,従来の大気圧プラズマジェットの照射だけでは不可能であった連続多孔質誘電体(具体的には,骨再生スキャフォールド)の内部の親水化が,高速で実現できることを実証したことにある.
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