研究課題/領域番号 |
20K20918
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三宅 芙沙 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 准教授 (90738569)
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研究分担者 |
堀内 一穂 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (00344614)
箱崎 真隆 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30634414)
早川 尚志 名古屋大学, 高等研究院(宇宙), 特任助教 (10879787)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 宇宙線生成核種 / シュワーベサイクル / 放射性炭素 / ベリリウム10 / 年輪 / 氷床 / 太陽活動 / 氷床コア / 樹木年輪 / シュワーべサイクル |
研究開始時の研究の概要 |
年輪の14Cや氷床コアの10Beといった宇宙線生成核種は過去の長期的な太陽磁場活動の優れた代替データである。一方、太陽活動を議論する上で大変重要となる太陽11年周期(シュワーベサイクル)は、核種データに現れる振幅が小さいため、宇宙線生成核種を用いた検出手法が未だ確立していない。本研究では、月解像度の年輪14Cデータと、複数地点の氷床コア10Beデータを分析することで、シュワーベサイクル検出法の確立を目指す。本研究が実現することにより、黒点データの妥当性を検証することが可能となるだけでなく、過去数万年間のシュワーベサイクルの調査につながり、太陽物理学をはじめ革新的な影響を及ぼす。
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研究実績の概要 |
地球に降り注ぐ宇宙線は大気と反応し、14Cや10Beなどの宇宙線生成核種を生成する。地球への宇宙線量は、太陽磁場活動によって変調を受けているため、年輪の14Cや氷床の10Beは過去の太陽活動の代替データである。一方で太陽活動を議論する上で重要となる太陽11年周期(シュワーベサイクル)は、核種データに現れる振幅が小さいため、その検出には高精度分析や、バックグラウンド変動との分離が必須である。本研究では、1年未満の時間分解能の年輪14Cと、複数地点の氷床コア10Beを高精度で分析することで、シュワーベサイクル検出法の確立を目指す。本研究が実現することにより、黒点データの妥当性の検証や過去数万年間のシュワーベサイクルの調査を可能とする。 2022年度は、信頼のおける黒点データが存在する1800年代について、年輪年代法によって年代が特定されたアラスカ産のシトカスプルースを用いて、14C分析を実施した(大正年代:1844-1876年。グラファイト抽出・加速器質量分析はスイスETHにて高精度分析実施)。年層内の変化を確認するため、早材・晩材に分離した分析を行ったが、両者の有意な差は確認されなかった。大気の14C変動から、早材・晩材間の違いが予想されることから、今回用いた試料は予想よりも短い期間年輪形成を行っていたか、特定の時期に吸収した炭素を用いて年輪形成が行われた可能性がある。本試料を用いた14C分析データには、黒点データから期待される14Cの周期変動が確認されたことから、年代を拡張してシュワーベサイクル検出が可能であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、シトカスプルースを用いた年層内の高精度14C分析から、早材・晩材の違いは確認されなかった。これはシュワーベサイクル検出にあたって季節変動の影響を考慮する必要がないことを示しており重要な知見といえる。また、本試料を用いてシュワーベサイクル変動を確認した。シュワーベサイクルの検出が他の樹木試料の14Cデータにおいても同様に実現できるかどうか、今後の調査が重要であると考えられる。また、予定していた氷床の10Be分析の準備を進めており、課題期間内に分析実施を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
今回用いたシトカスプルース以外の樹種においても、年層内の14C変動について同様の変化を示すのか、同年代について確認し、シュワーベサイクル検出にあたり、年層内分析の必要性について調査する。また、同年代について、南極、グリーンランド氷床の10Be分析を予定しており、14C、10Be双方からシュワーベサイクル変動を調査する。
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