研究課題/領域番号 |
20K20922
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
有川 安信 大阪大学, レーザー科学研究所, 准教授 (90624255)
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研究分担者 |
佐藤 透 大阪大学, 核物理研究センター, 招へい教授 (10135650)
余語 覚文 大阪大学, レーザー科学研究所, 教授 (50421441)
根来 誠 大阪大学, 先導的学際研究機構, 准教授 (70611549)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | スピン偏極中性子 / レーザー駆動中性子発生 / レーザー駆動中性子 / レーザー駆動磁場 / 光トリプレットDNP / スピン偏極重水素 / スピン偏極 |
研究開始時の研究の概要 |
中性子はユニークな特徴をもっており、電荷をもたず磁荷のみをもった唯一の粒子である。中性子スピン(磁石の方向)を揃えたものはスピン偏極中性子は、磁石の粒子となる。従来、スピン偏極中性子は発生が困難で、大量に発生した中性子のうちスピンが揃った成分のみを抽出して使用していた。この研究では小さな装置で、直接スピン偏極中性子を発生させる。これができれば、例えば地上最強磁場と予想されている超高強度レーザーによる磁場発生実験で発生する磁場を世界で初めて計測することができる。
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研究成果の概要 |
中性子は電荷がなく、磁気スピンのみをもっている特殊な粒子であり、常温では上か下の核スピン0.5:0.5の割合で存在している。中性子を1kT/10micro mの高い磁場勾配のある点を通過させると、中性子ビームは2方向に分離される。これにより100%偏極中性子を生成できることを発案した。PHITS(2021年リリースver)から中性子が磁場中で偏向させる計算機能が追加され、本研究が想定している実験環境を模擬した計算条件で、中性子を用いた磁場計測が可能であることが証明された。大阪大学のLFEXを用いて中性子偏向実験を実施することができた。引き続き実験を継続する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハイパワーレーザーを用いた様々な実験において、高強度かつ勾配の高い磁場が発生する。これまでこのような特異な磁場を直接計測する手法がなく、当該分野において大きな問題となっていた。本研究による成果によって中性子を用いてこれを実測できることが示された。また中性子が磁場で曲がった時に、100%スピン偏極した状態になる。これは従来のいかなる偏極中性子よりもコンパクトかつ高純度な偏極中性子の発生方法となる。この新しい中性子科学の知見は学術的に大きな意義がある。また今後この手法が標準化され様々な研究や産業に応用され、社会的意義を生み出すであろうと期待される。
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