研究課題/領域番号 |
20K20923
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
片岡 淳 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90334507)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | X線ガンマ線イメージング / 機械学習 / スパースコーディング / 超解像 |
研究開始時の研究の概要 |
一般に高エネルギー実験や核医学で得られる画像は統計との闘いであり、解像度も十分ではない。とくに、ガンマ線は可視光のように集光できず、光子1つ1つを検出する特殊な技術が必要なため、画像処理でも大きな後れを取っている。本研究では10 keVから10 GeV のガンマ線画像で広く適用可能なスパースコーディング技術を開発し、医療・天文分野の新たな革新を狙う。
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研究成果の概要 |
本研究では10 keVから10 GeV のX線・ガンマ線画像で広く適用可能なスパースコーディング技術を新たに開発し、その性能を定量的に評価した。宇宙分野においては、フェルミガンマ線天文衛星が取得した全天マップの鮮鋭化と未来予測に成功し、活動銀河核フレアなど突発天体を自動抽出する新たな手法を確立した。医療分野では、フォトンカウンティングCT画像の鮮鋭化による画質の向上を実現した。さらに、X線ガンマ線を同時に撮影可能な新しい可視化システムを開発し、得られた画像に4種類の機械学習を適用することで、短時間の測定における画像鮮鋭化にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、科学分野においても天文画像からの新天体発見やブラックホールの撮像など、機械学習の様々な応用が試みられている。一般に、画像における特徴量の抽出には、十分な解像度とコントラストをもつ膨大な学習データ(教師データ)が必要となるが、高エネルギー実験で得られる画像は総じてイベント数が少なく、解像度も十分ではない。医療分野に目を向けると、次世代診断技術であるフォトンカウンティングCTや核医学イメージングでは、同様に画質の良し悪しが診断精度を決める鍵となる。本研究で開発した機械学習は、これらX線ガンマ線イメージングに特化した新しいアプローチで画像の鮮鋭化を可能とし、さまざまな応用が期待される。
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