研究課題/領域番号 |
20K20924
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
伊藤 由太 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (30711501)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 原子線分光 / 原子ビーム / 超重元素 / RFイオンガイド / RFイオントラップ / 原子スピン / 不安定核 / 相対論効果 |
研究開始時の研究の概要 |
103番元素ローレンシウム(Lr)では、原子核の持つ強大なクーロン力によって、相対論効果による価電子軌道の周期律異常が初めて出現すると予測されている。このLrの価電子軌道を直接決定する手法として、Stern-Gerlach実験に代表される原子線分光法が挙げられる。本研究では、イオンガイド技術を組み合わせた再結合型中性化機構による原子ビーム生成法の開発を行い、原子線分光に不可欠な高品質の低エネルギー原子ビーム生成を実現する。また、高効率で元素依存の小さな再結合法により、収量のわずかな不安定核に広く適用できる原子ビーム源を実現することで、様々な精密分光への展開をも視野に入れる。
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研究成果の概要 |
原子番号100を超える超重元素では,原子核の持つ強大なクーロン力によって軌道電子が強い相対論効果を受ける.103番元素ローレンシウム(Lr)では,その相対論効果によって価電子軌道の周期律異常が初めて出現すると予測されている.本研究では,Lrの価電子軌道を直接決定するために,Stern-Gerlach実験に代表される原子線分光法に着目した.この原子線分光法に不可欠な低エネルギー原子ビーム生成法の開発を,イオンガイド技術を組み合わせたイオン-電子再結合によって行った.再結合効率を最大化するために,低エネルギーのイオンビームを精密制御する光学系と検出器を整備し,原子ビームの直接測定を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
元素及び元素の秩序である周期表は,人類の物質観や自然科学の重要な基盤である.超重元素は,一般的にありふれた元素ではないが,その特異性を研究し理解することで,原子構造や内在する相互作用の本質をより深く理解することができる.ここの知見は,基礎科学の発展に加えて,新物質の創生など応用面にも密接に関連するものと考えられる.また,この研究の過程で得られたイオン・原子ビーム技術は,基礎・応用問わず同じくイオンや原子を取り扱うさまざまな分野への波及も期待される.
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