研究課題/領域番号 |
20K20925
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
長谷川 雅也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (60435617)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 超伝導検出器 / 防振装置 / CMB偏光 / 原始重力波 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではCMB偏光実験による原始重力波探索で重要となる低周波領域での雑音を低減する手法を確立する。次世代実験における主要な低周波雑音は振動に起因すると考えられる。具体的には超伝導検出器を冷却するための冷凍機と望遠鏡のモーターが主要な振動源である。そのため、これらを能動的に防振するシステムの開発を行う。極低温における振動計を実現し、低周波雑音を1桁削減する事が具体的な目標である。
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研究成果の概要 |
本研究では、CMB偏光実験による原始重力波探索で重要となる1Hz以下の低周波領域での雑音を低減する手法を確立し、次世代実験における原始重力波の発見能力を格段に向上させる事を目的としている。低周波雑音の主要な要因の一つに、超伝導検出器の振動がある。主な振動源の1つである検出器を冷却するための冷凍機の振動を、アクチュエータを用いて能動的に防振する事に成功した。また、低温で動作する変位計の開発にも目処が付き、最終目標である低温部の防振システムについて技術的に目処をつける事が出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって振動による超伝導検出器への過剰ノイズを十分小さく抑える事で次世代CMB偏光実験における原始重力波の発見能力が格段に向上出来ると期待できる。これにより宇宙誕生を記述する有力な仮説であるインフレーション理論の実験的な検証が実現できる。また、本研究を通して実現を目指す能動防振技術は、精密観測を行う他の最先端実験で広く使われる事が期待できる。もし原始重力波が検出できれば、「宇宙のはじまりとは?」という人類究極の問いに、あらたな回答を与える事が出来る。社会的な関心やインパクトも非常に大きいと考える。
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