研究課題/領域番号 |
20K20946
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
川崎 晋司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40241294)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 内包 / 初期地球 / 生物有機物 / 擬高圧効果 / 電気化学還元 / 擬高圧力 / 有機分子合成 / 電気化学反応 / 硫黄 / 二酸化炭素 |
研究開始時の研究の概要 |
生命の起源を考えるうえで非生物的に有機物がどのように合成できるかを調べることは重要である。この非生物的有機物合成に関して多くの研究が行われてきたが、本研究はこれまでとは全く異なるアプローチでこの問題に取り組む。本研究では単層カーボンナノチューブ内の擬似高圧力場を利用して無機小分子から生物有機分子の合成を試みる。
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研究成果の概要 |
直接的な研究目標であった擬高圧環境下で無機物から生命有機物を合成することはできなかったが、いくつかの興味深い事象を見出すことができた。単層カーボンナノチューブ(SWCNT)に内包された硫黄はバルク試料とは異なるラマンスペクトルとなること、また、チューブ径の異なるSWCNTに内包された硫黄のラマンスペクトルは異なっておりチューブ径に依存して分子構造が変化することを見出した。さらに、鉄硫化物内包SWCNTを電極とし、CO2の電気化学還元を実施したところ、単純なCOとは異なる還元生成物が得られチューブ内反応の特異性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単層カーボンナノチューブ(SWCNT)のチューブ内に挿入された硫黄分子がチューブ径により異なる分子構造をとることを実験的に明らかにした。このことは、ナノメートルサイズの直径の筒状構造の空間のもつ特異性を示すものであり、学術的な意義がある。また、この特異な空間で二酸化炭素の電気化学還元実験を行うことができることを示し、かつその還元生成物の分析を実施できたことは実験の幅を広げる意味で有意義な成果である。さらに、こうした実験を通して初期地球の生命有機物の生成に関して議論できることを示したことは今後の研究の進展につながる意義深い試みである。
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