研究課題/領域番号 |
20K20950
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
実吉 玄貴 岡山理科大学, 生物地球学部, 准教授 (50522140)
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研究分担者 |
辻極 秀次 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628)
千葉 謙太郎 岡山理科大学, 生物地球学部, 講師 (80826438)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 哺乳類化石 / 古第三紀 / ゴビ砂漠 / 分子系統解析 / ヒエノドン類 |
研究開始時の研究の概要 |
生物の系統進化の理解は長らく形態に基づいてきたが、分子系統学の発展により近年大きく見直されてきた。近年化石から抽出されたタンパク質のアミノ酸配列に基づいて化石種の分子系統が検討されつつある。しかしタンパク質の保存限界は、400万年程度と言われ、大多数の化石標本ではこの手法を用いることができない。一方で、上記の保存限界も、様々な条件でさらに伸びる可能性は考えられるものの、より古い試料からのタンパク質の抽出には至っていない。本研究では、モンゴルの3500万年前の地層から産出した良質の化石標本に新たな生化学的手法を組み合わせることで、数千万年オーダーの化石標本を用いた分子系統学的解析法を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究は、有意に古い化石標本から、十分な量のタンパク質抽出と手法開発を目的とした。近年の渡航制限から、限定された化石標本及び岡山県第四系より産出した哺乳類化石を対象に、特殊染色を用いた組織学的解析、タンパク質抽出、分子系統解析等、手法と有用性を検証した。その結果、いずれの手法も第四紀の年代を示す哺乳類化石へ対し有用性を確認できたが、古第三紀のモンゴル産哺乳類化石では、十分な量のタンパク質保存を確認できなかった。これは、タンパク質の分解と溶出、アミノ酸の化学修飾との要因を示唆する。一方で手法の一部をさらに応用し、化石標本よりタンパク質を抽出できており、さらに精度の良い手法開発を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、骨化石より抽出される有機物に対して、保存期間の問題や抽出方法、抽出物に対する各種化学的な論証など、その存在証明が難しいとされてきた。本研究は、それらの化学的論証に至る方法論に、画期的な成果を提供する可能性があり、今後研究対象を拡大することで、さらなる有機物抽出へつながる可能性がある。さらに多様な化石に対して分子系統解析手法を拡大することは、化石になった過去の生物を、生物学的に捉えることにつながり、生物多様性変遷など、この世界の成り立ちを理解する一助になるだろう。
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