研究課題/領域番号 |
20K20959
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
徳 悠葵 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (60750180)
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研究分担者 |
木村 康裕 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70803740)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | ナノワイヤ / 薄膜 / ナノ材料 / 金属ナノ材料 / ナノチューブ / 応力誘導 / 固相還元 / 原子拡散 / 触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,独自のコアシェル型ナノチューブの作製手法を利用し,極小の単結晶銅ナノウィスカーを創製する.極小ナノウィスカーは粒子状と異なり,高アスペクト比かつ大きな結晶露出面積を持つ新たなCO2分解触媒として期待できる.ウィスカーの創製原理は,外皮金属により密閉した空間に加熱還元された金属が析出する際,線膨張係数の差により還元金属中に圧縮応力が生ずる.このとき還元金属の原子拡散が誘起され,外皮の格子欠陥・結晶粒界を拡散した還元金属原子がウィスカー状に析出する.応力による原子拡散により創製したナノウィスカーはほぼ単結晶であり,副反応の少ないCO2の分解触媒へと応用できる.
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研究成果の概要 |
本研究では,CO2分解に利用できる銅触媒が粒子状に限定されている現状を打破するため,単結晶ナノウィスカーの創成を試みた.独自のコアシェル型ナノチューブの作製手法を利用し,ナノウィスカー創成の基盤となる多層金属中空ナノ構造の大量作製に成功した.さらに,大面積・大量生成を実現するため,テンプレートと電着技術を併用した単結晶銅ナノウィスカー群の作製を実現した.ナノウィスカーは粒子状とは異なり,高アスペクト比かつ大きな単一結晶露出面積を持つ新たなCO2分解触媒として期待できる.これにより,副反応を抑えたCO2の分解触媒へと応用が期待できる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境・エネルギー問題の解決のため,二酸化炭素(CO2)の分解・利用は極めて重要である.分解には銅のナノ粒子が知られているが,分解時のエネルギー収支が悪く,実用化には至っていない.エネルギー収支の改善には,触媒作用に有効な結晶面を特定し,露出面積を増やすといった対策が有効と考えられる.そこで本研究では独自のコアシェル型ナノチューブ作製法およびテンプレート法の利用により,大量の単結晶ナノウィスカー群の作製を実施した.本成果により特定の結晶面を多く有するナノ触媒を大量生産でき,副反応の小さいCO2分解触媒として期待ができることから,世界のグリーンエネルギー研究に貢献が期待できる.
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