研究課題/領域番号 |
20K20963
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澄川 貴志 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (80403989)
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研究分担者 |
嶋田 隆広 京都大学, 工学研究科, 教授 (20534259)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ナノ・マイクロ / 転位 / 自己組織化 / ネットワーク / マルチフィジックス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マイクロ材料へ繰り返し負荷を与えて発現する特有の転位自己組織化構造形成の力学的支配因子を明らかにすることを目的とする。マイクロ試験片に対して繰り返し負荷試験を実施し、透過電子顕微鏡によってその内部構造を特定する。解析によってその支配力学について検討した後、目的の転位ネットワークを実現する試験片を設計し、その成否について検証を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では,材料への繰り返し負荷によって,マイクロサイズの材料内に生じる特有の転位構造の発現メカニズムを明らかにし,転位を利用したマルチフィジックスを創出することを目的とした.模擬材料を用いてマイクロサイズの試験片を作製し,繰り返し負荷実験を行った結果,試験片中央部にはバルクと同様の転位構造が形成される一方,表面から約1μmの範囲には表面からの鏡像力の影響を受けた構造を生じていた.この力学的作用を利用することで,材料内に同じ振幅で転位壁を形成することに成功した.また,常誘電体単結晶試験片にマイクロサイズの応力集中源を設けて繰り返し負荷を行った後には,局所的な強誘電性が発現していることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,材料表面の力学的作用と繰り返し負荷を利用して微細材料中に特有の転位構造を形成させることに成功し,原子レベルの欠陥の構造や配置を材料中で制御できる可能性を示した.また,繰り返し負荷を受けた常誘電体材料中の局所に強誘電性を生み出せることを示した.本成果は,欠陥を利用することで現象を生み出す新しい学術分野創成の一翼を担うものであるとともに,これまで不可能とされてきた強誘電体微細化デバイスの実現可能性を示すものであり,社会および産業界へのインパクトは大きい.
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