研究課題/領域番号 |
20K20968
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
豊川 秀訓 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 放射光利用研究基盤センター, 特別嘱託研究職員 (60344397)
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研究分担者 |
鈴木 賢治 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (30154537)
菖蒲 敬久 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, サブリーダー (90425562)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | X線応力測定 / 2次元検出器 / 白色X線回折 / X線応力測定 / 材料深部顕微鏡法 / 放射光 / 白色X線回折 / 内部応力 / 動的測定 |
研究開始時の研究の概要 |
この四半世紀を見ると、シミュレーション技術の進歩により、材料の変形や応力の挙動もリアルかつビジュアルに表現できるようになった。しかし、溶融・凝固過程を実際に観察し、その現象からメカニズムを理解することは、遅々として進んでいない。本研究においては、白色X線回折による材料深部顕微鏡法を開発し、溶接直後の凝固冷却中の応力の動的測定に挑戦する。これまで報告事例がない高温割れが発生する高温領域のひずみを実測する本申請は、シミュレーションから直接観察によるメカニズム解明へと、材料科学の方法論の変革・転換を図り、これによる新機能材料開発を飛躍的に発展させる。
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研究成果の概要 |
鉄鋼材料などの強度を受け持つ部材に適した高エネルギーX線領域で,これまで粗大粒や溶接部の応力を非破壊的に測定する手法が確立していなかった.その解決のために,本研究では,高エネルギーX線の計測を可能にする2次元検出器CdTeピクセル検出器の開発・応用を手掛けた.また,粗大粒および溶接部のX線回折像の観察と分析を通じて,粗大粒および溶接部のひずみ測定の原因を明らかにし,それに対応した二重露光法を提案した.これらの2つの成果を合わせて,オーステナイト系ステンレス鋼の粗大粒および溶接部の応力測定に挑戦して,粗大粒および溶接部の応力測定を確立することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでシンクロトロン放射光X線の高輝度,高指向性,透過力が素晴らしい性能を持ちながらも,粗大粒や溶接部の応力に適用できないことが,X線応力測定の歴史的難問として残されていた.本研究により,CdTeピクセル検出器の開発および二重露光法の組み合わせにより,その難問を解決するための方策が見つけ,実際に応力測定できることを実証することができた意義は大きい.特に,これまで溶接などの残留応力は数値解析に頼る以外になく,その結果を判定するには,実際の応力を非破壊的に測定する以外に方法がなかった.そのための実応力測定方法が確立し,社会の安全・安心に貢献することができた.また,数値解析の高度化にも貢献した.
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