研究課題/領域番号 |
20K20971
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
巽 和也 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90372854)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 伝熱 / パーコレーション理論 / 確率統計分布 / ワイブル分布 / ナノワイヤ / 連結構造体 / 2次元サーマルリフレクタンス法 / ネットワーク構造体 / 2次元サーモリフレクタンス法 / 熱伝導 / 温度分布 / エレクトロマイグレーション / 連結空間 / パーコレーション / 2次元TRI法 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請ではナノワイヤネットワーク構造体の見かけの熱伝導率のモデル化と測定を目的として,パーコレーション理論として確率統計論であるWeibull分布を用い,さらに“ゆらぎ”の確率過程を適用することでコンパクトな数理モデルを求める.実験ではデバイスに散布したナノワイヤのネットワーク構造体に対して通電加熱または基板両端で温度勾配を設定したときのナノワイヤの温度と局所熱流束の分布を2次元Thermo-Reflectance Imaging計測技術により求め,その値をWeibull分布と “ゆらぎ”の確率過程から構成されるモデルに適用して本手法の有効性を検証する.
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研究成果の概要 |
従来の連続体力学が適用できない確率連結を有する構造体における伝熱経路,熱伝導率,伝熱量に関してパーコレーション理論と確率過程を用いたコンパクトな数理モデルを開発した.実験では日本初のThermal Reflectance Imaging法に基づく2次元ナノスケール温度計測装置を構築し連結構造を持つナノワイヤ群の温度計測を行い,数値解析と逆問題解法との比較検討により,ナノワイヤ群の通電・発熱・伝熱特性の解明と開発したモデルの妥当性を示した.さらに,開発した計測技術とモデルは配線でのエレクトロマイグレーションによるボイド生成・成長と配線寿命の現象解析と予測に展開できる可能性を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高度化・複雑化する機器や材料の構造は均質・一様ではなく確率連結を有する構造体である場合がある.これらの構造体の電気・伝熱特性は従来の連続体力学では表せない特性を持ち,新しい数理モデルの開発が必要となる.例えばナノワイヤを無作為に散布した構造体は,ワイヤ同士の連結と連結部の特性により通電や伝熱の経路と輸送量は従来の法則では表せないことがある.本研究では空間連結と確率論に基づく数理モデルを構築し,これらの連結を有する構造体の通電・伝熱特性に適用して実験によりモデルの妥当性を検証した.本モデルの発展は高度化する機械・材料・システムの輸送・性能評価に適用し,新しい設計と信頼性評価への貢献が期待できる.
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