研究課題/領域番号 |
20K20987
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
金子 真 名城大学, 理工学部, 教授 (70224607)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 赤血球変形能 / マイクロ流体チップ / 人工毛細血管 / 脳活性度 / 高速カメラ / 知能指数 |
研究開始時の研究の概要 |
赤血球が血管内で最も通りにくくなるのは、直径3マイクロメートル程度の毛細血管を通過するときである。赤血球変形能が高くなると脳神経に潤沢に酸素が供給され、結果的に脳活性度向上に繋がることが予想される。本研究では、この仮説の妥当性を検証するため、赤血球変形能と脳活性度を実験的に調べ、両者の相関を調べることで仮説の妥当性について考察し、脳科学、医学、工学の学際領域で新しい学術分野創成に挑戦することを目的としている。なお赤血球変形能は狭窄部通過速度で評価し、脳活性度については非侵襲を重視し、知能指数等で評価する。
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研究成果の概要 |
赤血球が血管内で最も通りにくくなるのは、直径3マイクロメートル程度の毛細血管を通過するときである。赤血球変形能が高くなると脳神経に潤沢に酸素が供給され、結果的に脳活性度向上に繋がることが予想される。本研究の目的はこの仮説の妥当性を検証することである。赤血球変形能については直径3~5マイクロメートルのマイクロ流路通過中の赤血球の動きを高速カメラで追跡する方法で変形能指標を導出することができた。一方、脳活性度については、fMRI(磁気共鳴機能画像法)を用いて血流量を評価し、脳活性度指標と見なす方法までは着想できたもののfMRIレンタル料高額(数百万円)のためfMRI定量的評価には至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳活性を維持するためには脳細胞に絶えず酸素を運び続ける必要がある。興味深い点は、哺乳類の赤血球には核がなく哺乳類以外の脊椎動物の赤血球には核が存在している点である。申請者は赤血球になる直前の赤芽球と赤血球の変形能を調べ、有核の赤芽球は人工毛細血管入口で頻繁に詰まるが無核の赤血球はスムーズに通過し、両者に歴然とした差が現れることを実験的に見出した。哺乳類は赤血球変形能を向上させたことで、脳神経細胞に酸素を潤沢に運べるようになり、結果的に脳が進化したという仮説は否定できない。本研究は、赤血球変形能と脳活性度の統計データを調べることで、脳科学、医学、工学の学際領域で新しい学術分野創成に寄与する。
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