研究課題/領域番号 |
20K20991
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小室 淳史 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (70733137)
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研究分担者 |
寺本 慶之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (00635328)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 大気圧プラズマ / 二酸化炭素 / 火星 / 酸素生成 / 火星環境 / 二酸化炭素分解 / プラズマ / 低温低圧環境 / プラズマ処理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では火星環境下で得られる資源としてCO2に着目し、火星に滞在するためのO2生成、探査機器の燃料として用いるCO生成を行う方法を提案する。文部科学省が公表した国際宇宙探査ロードマップでは、火星には長期滞在や資源利用などの可能性があり、挑戦する意義があるフロンティアだとしている。米国は2030年代半ばまで、中国は2050年代までに人類を火星に送る方針を既に公表しており、今後世界各国で火星探査競争が繰り広げられるのは想像するに難くない。本研究では酸素と燃料を火星で自給する方法を提案するものであ、この研究が進展することにより有人火星探査における輸送機のペイロード比を大幅に削減することが可能となる
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研究成果の概要 |
本研究では、プラズマを利用したCO2分解技術を火星現地での酸素生成技術へ応用することを見据え、基礎研究として低温環境下における正極性パルスストリーマ放電の諸特性の観測実験と、応用研究としてCO2の分解実験を行った。ストリーマ放電の観測からは、放電エネルギーと放電発光強度に関してはガスを低温にすることによる温度効果が確認された。CO2分解実験では、気温マイナス40度、0.7 kPaのCO2環境下で誘電体バリア放電を発生させたところ、10%程の酸素と20%程の一酸化炭素が生成されていることが確認できた。本研究により、疑似火星環境下でも問題なくCO2から酸素と一酸化炭素を生成できることが確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放電プラズマを用いて温室効果ガスであるCO2を処理する研究はこれまでも盛んに行われてきたが、本研究ではCO2を有用な資源としてとらえ、火星環境下という特殊環境下において有効に活用するための方法を提案するものであり、これまでの研究とは一線を画すものである。本研究の成果により、火星環境を模擬した低温かつ低圧環境下においても、CO2からO2とCOを生成できることが示され、また基礎的な研究によりガス温度が放電特性に与える影響も一部明らかになった。本研究がさらに進展し火星環境中で効率よく酸素と燃料を自給できるようになれば、火星探査計画の進展に貢献することができると考えられる。
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