研究課題/領域番号 |
20K20998
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宇佐美 徳隆 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20262107)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 太陽電池 / 光閉じ込め構造 / ヘテロ接合 / 結晶シリコン / ドーパントフリー / 酸化チタン / 窒化チタン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、薄型結晶シリコンに対し、高性能ヘテロ接合と高効率光閉じ込め構造を実装したドーパントフリーフレキシブル太陽電池の創製に挑戦する。具体的には、金属酸化物と結晶シリコンのヘテロ接合において、界面近傍の精緻な化学状態制御により、高性能パッシベーション、高効率キャリア分離、高効率キャリア輸送を同時実現する。さらに、大面積の薄型結晶シリコンに適用可能であり、数ミクロン以下の少ない削りしろで光閉じ込め構造を形成するプロセスを開発する。これらを実装した太陽電池を作製して性能評価を行い、太陽電池動作を実証する。さらに、損失分析を行い、性能改善のための要件を明確化する。
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研究成果の概要 |
ドーパントフリーフレキシブル太陽電池の要素技術として、高いパッシベーション性能と高い伝導特性を両立する金属/酸化チタン/結晶シリコンヘテロ接合の形成プロセスを開発した。具体的には、結晶シリコンの事前酸化処理、原子層堆積法による酸化チタン薄膜の製膜、酸化チタン薄膜上への窒化チタン中間層の導入、金属薄膜の製膜などを含むプロセスである。また、フレキシブル性の発現する極薄シリコン基板に適用可能な光閉じ込め構造形成技術として、従来技術であるアルカリ溶液に対し、結晶シリコン表面へ金属ナノ粒子を形成する溶液と界面活性剤を加えるのみという簡便な溶液プロセスを考案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ドーパントを用いずに高効率太陽電池の要件を満たす新たな接合として、金属酸化物と結晶シリコンのヘテロ接合の研究を進め、界面の精緻な制御によりpn接合を凌駕する高性能化の可能性を示した。また、フレキシブル性の発現する薄い結晶シリコンにも適用可能な光閉じ込めのためのテクスチュア構造の形成技術を開発した。これらは、太陽電池の新用途開拓など、さらなる大規模普及や社会の脱炭素化を加速する技術への貢献が期待される。
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