研究課題/領域番号 |
20K21002
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山田 晋也 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (30725049)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | ホイスラー合金 / ワイル半金属 / 強誘電体 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者が独自に開発した単一原子層終端技術を活用し、結晶成長初期の基板表面に界面制御原子層を挿入することで界面エネルギーをコントロールし、極低温でもホイスラー型ワイル半金属の薄膜の原子配列を理想系へと導く新技術を開発する。強誘電体と接合した積層構造において、高移動度に代表されるギャップレス電子構造に起因した特異物性とその電界制御を実証し、ホイスラー型ワイル半金属を薄膜で実証した決定的な結果を示す。
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研究成果の概要 |
ワイル半金属と理論予測されているホイスラー合金Ti2MnAlの薄膜作製を試みた.薄膜作製時の元素の供給比を非化学量論組成に制御することで,膜中の組成比がほぼ化学量論組成比に制御されたTi2MnAl薄膜の作製に成功した.しかし.ワイル半金属特有の磁気輸送特性の観測には至らず,結晶規則性の改善が鍵であることがわかった.ワイル半金属に類似したバンド構造を持つスピンギャップレス系ホイスラー合金を強誘電体基板上に薄膜成長し,バンド構造に起因した磁気輸送特性の電界制御を試み,電界で磁気輸送特性を制御できる可能性を見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,これまで材料探索・物性探索が中心であった材料群に対して,それらの特徴的な電子構造に起因した物性をゲート電圧制御する新技術の開発を目指した.最終目標としていたトポロジカル物質に特徴的な磁気輸送特性の電界制御までには至らなかったが,類似したバンド構造(スピンギャップレス半導体)を持つと予想されているホイスラー物質で検討を進め,電界で磁気輸送特性を制御できる可能性を見い出すことができた.今後,薄膜の結晶規則性を向上し,電界でトポロジカル状態のON/OFF制御を実証できれば,新しいスピントロニクス素子への応用の芽を創出することにつながると期待される.
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